2024年12月22日( 日 )

統一教会問題が茨城県議選で公明党を直撃するのか

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 旧統一教会問題が与党を直撃するのかで注目されていたのが、「茨城県議選(12月11日投開票)」。11月28日付『読売讀賣』は「与党、茨城県議選に注力 統一地方選前哨戦 葉梨氏更迭危機感」と銘打って報じ、来春の統一地方選の前哨戦と位置づけた。同県選出の葉梨康弘前法務大臣の更迭は自民党にとって大打撃で、「党幹部は『40議席を割れば、政権運営に影響を与えかねない』と危機感を見せた」(同)と議席減を予測する一方、現有4議席と同数の候補者擁立の公明党も地元出身の山口那津男代表ら党幹部が茨城入り。11月27日に水戸駅前で山口氏が「茨城県議選でどの党が勝つかが、全国の戦いの勝敗を左右する」と訴えたことも紹介したのだ。

 しかし旧統一教会問題で公明党にも逆風が吹いているように見える。会期末に成立する見通しの被害者救済法案を骨抜きにしたのではないかと指摘する報道が週刊誌などで相次いでいたからだ。

 そこで、12月3日につくば市で新人の山本みわ候補の応援演説をした党ナンバー2の石井啓一幹事長を直撃(声掛け質問)した。公明党現職が引退して新人の山本候補が立候補したものの、混戦状態で当選圏内に入っていないと訴えた石井氏に街宣後、声をかけたのだ。

 ──統一教会問題、逆風ですか。影響を与えているのではないですか。

 石井幹事長 そういうふうには思わないけどね。

 ──救済新法に消極的と言われていますが……。(公明党は)被害者救済新法に消極的と言われていますが……。そんなことはないですか。

 石井幹事長 ありませんよ。

 ──マインドコントロール下における献金(規制)に消極的だと。反対していると。

 石井幹事長 あれは「(救済新法に盛り込まれた)配慮義務」のなかに入れましたから。

 ──「配慮」では足りないと(「禁止」にすべきと野党は主張している)。

 石井幹事長 そんなことはありません。十分大丈夫です。

 ──野党を厳しくすべきだと(「禁止」にすべきだと言っている)。

 石井幹事長 総理が答弁している。大丈夫です。

 ──被害者団体は反対していますよ。被害者、弁護団(全国弁連)も反対している。

 石井幹事長 大丈夫です。

 ──なぜ大丈夫なのですか。

 石井幹事長 100%求める人はたしかにそうかも知れませんが……。

 ──当の被害者、(宗教)二世の方が反対しているではないですか。「これだと足りない、不十分だ」と。

 石井幹事長 はっきり言いますけれども、今回の新法はこれまでの被害者を救済するわけではないのです、遡及的ではない。新たな被害者を出さないようにする。それは十分できると思います。

 ──昨日集会があって。全国弁連の弁護士が昨日の集会で(不十分として)反対していましたけど。

 石井幹事長 そうですか。そういうご意見もあるとは思いますけど。

 ──(旧・統一教会の被害者救済を)中心的にやっている弁護士グループが反対しているのに(「配慮義務」で十分なのですか)。

 石井幹事長 そういう意見もあると思いますが、我々はしっかり憲法体系、法体系のなかで最大限できることをやっています。

 ──創価学会の献金を規制させないために反対しているのではないですか。

 石井幹事長 そんなことはありません。

 ──週刊誌に出ています。

 石井幹事長 あなた週刊誌のいうことを信じるのですか。

 ──長井(秀和)さんの言っている方が説得力ありますが……。

 ここで支持者との挨拶タイムとなって声掛け質問を一時中断。一区切りついたところで、敵基地攻撃能力などの防衛三文書についても聞いてみた。

 ──防衛三文書も逆風ではないですか。敵基地攻撃を認めたら。

 石井幹事長 まったく逆風ではないですよ。

 ──「平和の党」の看板が揺らぐのではないですか。

 石井幹事長 まったくありません。(敵基地攻撃能力は)当たり前のことを言っている。

 ──当たり前ですか。

 石井幹事長 皆さん、心配しているでしょう。そんなことはまったくありません。まったくありません。

 ──敵基地攻撃をすると、5倍、10倍で返ってくると。アメリカの戦争の片棒を担ぐことになりませんか。

 石井幹事長 まったくありません。まったくありません。

 ──(元首相の)安倍さんと同じ考えではないですか。

 石井幹事長 まったくありません。

 ──「台湾有事=日本に有事」とお考えなのですか。

 石井幹事長 まったくありません。

 旧統一教会問題と防衛三文書問題が影響をおよぼした茨城県議選。公明党は議席数を維持したものの、自民党は現職議員10人が落選し、大幅に議席を減らした。

【ジャーナリスト/横田 一】

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