JR山手線渋谷駅「新ホーム」工事が完了、駅開発が進む
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山手線のホーム改良工事が完了
大規模な開発が進む渋谷駅。「渋谷駅街区土地区画整理事業」により、大規模施設の建設とともに鉄道の改良工事や駅周辺の歩行者の動線の整備が行われている。JR山手線は外回りの線路切換工事が完了し、これまで別々だった山手線の外回りと内回りのホームが1つ(島式ホーム)になり、外回りの乗り降りが内回りと同じホームでできるようになった。1月7日~8日には、このホームの改良工事の影響で、JR山手線は外回りの大崎~池袋間が運休していた。
長らく工事が行われているJR渋谷駅は利用者数がとても多い一方でホームが狭く、電車の到着時にはとても込み合ってきた。今回の工事で山手線の外回りと内回りが乗り入れるホームの幅が拡張され、最大16mと広くなったため、実際に利用してみると乗り降りでの移動がしやすくなった。
「ダンジョン」渋谷駅を移動しやすく
「ダンジョン」とも呼ばれる渋谷駅は、ビルや駅施設が立体的に入り組み、慣れていない人はとくに乗り換えや移動に迷いやすい。その理由として、渋谷駅がすり鉢状の地形の谷の底にあり、底部分にあたる平地が限られることが挙げられる。多くの電車が乗り入れるターミナル駅として発展するうえで、電車のホームが地下3階~地上3階に渡る多層構造になってしまうのだ。
そのため、鉄道や幹線道路などを超えて歩行者が移動しやすいように、これまで駅周辺には歩道橋やペデストリアンデッキが整備されてきた。また、以前は山手線の南側にあったため乗り換えに時間がかかっていたJR埼京線のホームも、2020年に北側に約350m移動して山手線と並んだ場所に移設され、乗り換えが非常にスムーズになった。
これに加えて、JR渋谷駅の地上部での東西の移動がしやすくなるようにJR渋谷駅1階の北側に幅22m、中央部に幅23mの自由通路の整備が行われている。JR渋谷駅の工事の完成は27年に予定されている。
渋谷駅周辺の開発
渋谷駅周辺では近年、渋谷スクランブルスクエア東棟(19年11月1日開業)、渋谷ソラスタ(19年3月29日竣工)、渋谷フクラス(19年11月開業)などが開発されてきたが、まだまだ工事中の場所も多く、今後もさまざまな施設の建設が予定されている。
23年度には、「渋谷駅桜丘口地区」が竣工予定となっている。JR山手線と国道246号が交差する駅南西部にある、約2.6haの敷地を再開発する計画だ。A~C街区にかけて、事務所、店舗、住宅、サービスアパートメント、起業支援施設、教会、駐車場などを備えた施設が建設される。A街区は地上39階、地下4階、高さ約170m、延床面積約184,800m2、B街区は地上29階、地下2階、高さ約133m、延床面積約69,200m2、C街区は地上4階、高さ約17m、延床面積約830m2となる施設ができる予定だ。
24年度には、「渋谷二丁目17地区」が開業予定だ。渋谷駅東口エリアに、オフィス、店舗、駐車場などを備え、地上23階、地下4階、高さ約123m、延床面積約44,500m2となる大型施設が建設される計画だ。1~4階は店舗、5~23階はオフィスを配置するとともに、1~2階には歩行者ネットワークにつながる屋外広場、屋内広場を整備する計画だ。同施設から駅につながる歩行者ネットワークを整備することで、移動しやすいまちづくりを目指す。
27年度は、「渋谷スクランブルスクエア中央棟・西棟」が開業予定だ。現在のJR渋谷駅の真上に中央棟、東急百貨店東横店の跡地付近に西棟が建設される計画だ。中央棟は地上10階、地下2階、高さ約61mのビル、西棟は地上13階、地下5階、高さ約76mのビルとなる予定だ。
目覚ましく姿が変わりつつある渋谷駅。商業施設やオフィスの整備とともに、今回の開発により、利用者にとって乗り換えや移動がしやすい駅となることが期待されている。
【石井 ゆかり】
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