コンビニ従業員不足~外国人、高齢者、主婦が主戦力?
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コンビニは、社会インフラとして、買い物弱者対策や治安維持や災害時支援など地域社会に不可欠な存在となり、地域経済にとってもコンビニで働く就業者数が63万人を超え、雇用確保の役割を果たしている一方で、深刻な人手不足が広がっている。ローソンの介護コンビニをはじめ、見守り支援、地産地消活動、農業参入、移動販売、御用聞きなどコンビニが果たす役割が広がるなか、人手不足を解消してコンビニエンス(利便性)を維持するのは、各社の経営対応だけで済ませられる問題ではなくなってきている。
コンビニで外国人の店員を見るのが当たり前になったが、そこにも人手不足が反映している。最近では、高齢者が働く姿も目にするようになった。
コンビニ加盟店の9割が、「従業員不足によって何らかの形で運営に支障を感じている」とした調査結果がある(経済産業省の「コンビニエンスストアの経済・社会的役割に関する研究会」がまとめた報告書)。コンビニ加盟店オーナー3万4,170人を対象にしたアンケート調査の結果(1万5,532人から回収、回収率45.46%)で、「ぎりぎりの状態であり、何かあれば確実に運営に支障が出る」という店が35.9%、「従業員が不足し補充の目処なし」とする店が18.6%。「ある程度足りているが、何かあれば運営に支障の可能性」があるとした店(33.8%)を合計すると、90%に達した。
コンビニが経済・社会的役割に関する取り組みを強化するうえでの課題として、オーナーが選んだのは、「従業員の確保」がダントツ(地方の町村部で72.2%、それ以外で68.6%)で、「資金の確保」(同37.8%、35.5%)、「店舗スペースの増築・規模の拡大」(同28.6%、27.3%)などを圧倒的に引き離した。人材確保は、コンビニにとって死活問題になっている。
従業員不足の理由として、「必要な一部の時間帯に勤務できる人が少ない」が62.9%、「せっかく雇用してもすぐにやめてしまう」が29.8%。
すでに、コンビニ加盟店の26%が高齢者を雇用し、約2割が外国人を雇用している。コンビニで働く主戦力は外国人、高齢者、女性(主婦)という時代になりつつあるが、主婦の場合は子育てなどとの両立、外国人は在留資格の関係で正社員採用が困難など、コンビニ店主や業界単独での取り組みに限界がある。報告書は「人材・雇用は、コンビニエンスストアが、女性や外国人等にとって働きがいがある、働きやすい場として位置付けられていくことが重要である」と指摘。また、「高齢者や外国人材の雇用に関しても、募集情報の提供や応募者の紹介などの点で、行政や自治体と連携し促進することが期待される」「政府は、外国人技能実習制度における対象職種への『店舗運営管理』の追加に向けて、業界団体における検討を支援するとともに、必要な検討が整い次第、所要の措置を講ずることが重要である」と対応策を求めている。
【山本 弘之】
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