2024年11月24日( 日 )

ヒューマン環境の創造の原点に挑戦を続ける(中)

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注目浴びる屋上緑化・庭園

 ──御社において、独自性の高い金属防水と屋上緑化・庭園の現況は、いかがでしょうか。

 宇都 これは、あくまでも住宅が建って、その下請けをしております。そのため、戸建住宅の新設着工棟数に影響を受けます。今期は、戸建住宅の新設着工棟数も芳しくないことから、弊社も苦戦しています。今からの相当な努力が必要でしょう。
 数百年続いた勾配屋根を変えることは、容易なことではないですね。木造住宅での陸屋根、そしてそこに屋上緑化・庭園をつくる─かなり苦戦しています。そのようななかでも、取り扱う工務店さまは1社1社、少しずつですが増えて前進していることもたしかです。

 ──御社の事業のなかで、やはり屋上緑化・庭園の事業─OSORAリビングガーデンはクローズアップされます。同事業の現在について、詳しくお聞かせください。

okujo 宇都 屋上緑化・庭園の事業は27年目に、そして改めて再チャレンジが7年目になりました。せっかく、家を建てられても子どもの遊ぶ場所がない。それなら屋根に広場をつくって、子どもがそこでメダカと遊ぶ。そうすると、子どもの情操教育ができ、感性豊かな子どもが育つ─。そんな家を提供できたら、地場の工務店さまも新築の受注に苦労されずにすむのではとの思いで、地場工務店さまに提案を続けております。

 関東で再提案して7年、今少しずつ広がり始めていますが、志半ばですね。かえって大手ハウスメーカーが屋上緑化を提案し始めて、少し困っています。住友林業(株)、大和ハウス工業(株)、パナソニック(株)、へーベルハウスなどです。それでも私は、必ずいつか弊社の屋上緑化・庭園が普及できると信じています。なぜならば、土地が高騰してますます狭くなる住宅地、子どもと家族全員でワイワイガヤガヤできるところはここしかないと思います。まだまだ雨漏りへの怖さが屋上緑化の普及を阻んでいると思いますが、そのようななか、最近いろいろな視点で屋上の有効利用の記事を書いてくれています。先日も朝日新聞社が屋上の有効利用の面白さを取り上げていました。これからますます普及できるのではと、期待を持っております。しかし、どんなに素晴らしいものでも、住宅業界という保守的なところでは、普及に時間がかかるものです。

 ──御社が新たに導入された商品・サービスについて、お聞かせください。

 宇都 弊社が新たに導入した商品は、『ウェットスーツ』(アメリカの防水材料、コンクリート系屋上防水)、『クモノス』(ビルの壁クラック調査を特殊カメラで行う工法)、管工事業、遮熱コート(マサコート)です。蓄電器の研究開発にも取り組んでおりますが、製品化はまだ先です。
 また、新たなサービスの開発として、『ブルーオーシャンシステム』を開発しました。『ブルーオーシャンシステム』とは、小規模でやっておられる工務店さまは、見積もりや工程管理などはかなり時間がなく、しかも社員さんも不足して、社長が1人で奮闘されております。そんなときに新たな見積もりが来ても、なかなかすぐにできないのが現状でしょう。そこで弊社は、(1)見積、(2)工程管理、(3)見積もったその家のパーツ、(4)これからの必需品省エネ計算―これらを無料でさせていただくサービスを始めました。また天神にコールセンターをつくり、各工務店さまといろいろな情報提供ができるシステムを設置しました。さらに今回、アプリ(工務店様お助け)をつくり、いろいろな面で工務店さまへのお役立ちをやろうとしています。

(つづく)
【聞き手・文・構成:河原 清明】

 
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