2024年12月23日( 月 )

21世紀の新たな世界都市をつくる 「国際運河」タイ運河計画の進捗

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DEVNET INTERNATIONAL
世界総裁 明川 文保 氏

 明川文保世界総裁率いるDEVNET INTERNATIONALは現在、世界地図を塗り替え、今世紀最大のプロジェクトの1つになるであろう事業に取り組んでいる。マレー半島のタイ王国南部に19世紀のスエズ運河、20世紀のパナマ運河に続く国際運河「タイ運河」(仮)を建設、新たな国際経済・物流の大動脈をつくり出そうというのだ。構想発表から約2年、進捗状況やその意義について改めて明川氏に話を聞いた。

世紀のプロジェクト 第3の国際運河

DEVNET INTERNATIONAL
世界総裁 明川 文保 氏

    現在、太平洋―インド洋間、とくに東・東南アジアとヨーロッパ間を運航する船はマレー半島とインドネシア・スマトラ島を隔てるマラッカ海峡を通過する。しかしコンテナ船、タンカーなど非常に多くの船が通過するため、非常に混み合っている。総トン数300 トン以上の船舶の通過数(延べ、マレーシア海事局への通報ベース)でみると、2000年に約5万6,000隻であったのが、18年には8万5,000隻と約1.5倍に増えている(日本財団『マラッカ・シンガポール海峡レポート』2022)。コロナ禍でこの2~3年は減少しているものの、数年後にはキャパシティの限界に達すると、明川氏はいう。ほか、海賊による被害や海洋汚染も懸念されている。

 代替ルートとして、経済発展で物流量が急増している中国とヨーロッパ間を陸路で結ぶ国際貨物列車を走らせるなど対応策が講じられているが、明川氏によれば、それだけでは不十分で、マラッカ海峡は後数年で通貨船舶数をこれ以上増やすことができない水準にまで達するという。

 プロジェクトの名称は「タイ運河総合開発計画」(以下、タイ運河計画)。この計画によると、マレー半島で最も狭い部分であるクラ地峡を掘削し、全長約110km、横幅3km、深さ40mの規模の水路を建設。20万tの船が交互通行できる予定にしている。これにより、日本など東アジア(フィリピン、ベトナムなど一部東南アジアも含む)からヨーロッパへの航路は、マラッカ海峡を通過する航路と比較して1,200km短縮され、所要日数としては2日~5日程度早く通航することが可能になるという。

 この規模だけを見れば途方もない計画と思われるが、長年の悲願としてきたタイ王室は長期にわたり構想を練るとともに研究を進めてきた。タイ運河計画は現国王ラーマ10世の認可を受けており、タイ王室が巨額の資金を拠出する。

拡張するタイ運河計画

 明川氏によると、22年末になって、タイ国王ラーマ10世より、タイ運河計画を拡張するよう話があった。当初の計画では、運河の横幅3kmでその両端にそれぞれ9km、計18kmにおよぶ街を運河流域全域において建設するとしていたが、この幅を18kmから33kmに拡張するという。運河と合わせると36kmになる。変更の根拠は仏法の法則によるもので、より縁起の良い数字になるようにしたという。開発地域の面積はシンガポールの国土面積(2020年時点で728㎞2)の約5倍に相当する。シンガポールの人口は約563万人(2022年6月時点、シンガポール統計局)。タイ王国の人口は21年12月時点で約6,617万人(同国統計局)だが、タイ運河計画は2,000~3,000万人の居住地を生むポテンシャルを秘めているという。タイ運河が無事に開通されれば、あながち非現実的ともいえない。明川氏によると、ヨーロッパの一部の国、アジアでは中国、フィリピン、インドネシアなどの各国政府が運河建設n賛同しており、投資する意向を伝えている国や、国家元首が親書を送ってきた国もあるという。

 土地を掘削して出た土を用いて沖合に人口島を造成する。そこには液化天然ガス(LNG)タンク、オイルタンク、コンテナヤードなどを設置する。マラッカ海峡は中東と日本を結ぶオイルロードの一部である。その通路としての役割の一部を代替するためのインフラ投資だ。

 運河はタイの経済に非常に大きなインパクトをもたらす。域外からの投資を行いやすいよう、運河の水路の両端には保税(関税を留保)区域を設ける。製造・加工、物流、貴金属取引、証券取引、外為取引、穀物取引などすべてを行えるという。全世界の企業を対象としたフリーゾーンであり、第2の香港・シンガポールを目指すと、明川氏は意気込む。

 また、明川氏が強調するのは、時代の変化に合わせて、SDGsとダイバーシティを意識したまちづくりだ。緑あふれるまちにする計画を立てている。まちづくりは投資を行う各国の事業者に大きく委ね、各国の文化に基づき、それぞれの雰囲気が溢れた都市を建設してもらうという構想を練っている。それぞれに宗教施設なども設けてもらうことで多様な文化・宗教的バックグラウンドをもった労働者に対応し、予期される文化的摩擦も事前に防ごうという狙いだ。

 日本に関しては、京都のような碁盤目状のまちづくりも1つの案にあるという。また、常夏の地域であることを踏まえ、巨大な地下街も建設する予定だという。

 この運河建設はタイのみならず、日本を含むアジア太平洋地域の経済社会の発展に大きく寄与するであろう。明川氏は「この開発は資本主義、社会主義といった経済体制の違いを超えて実現され、世界平和に大きく貢献できる。この経済効果により、コロナ禍後に待ち受ける世界大恐慌をも乗り越えられる」と胸を張って語る。タイの地に、人種・文化の入り混じった新たな世界都市が生まれる日が遠くないかもしれない。

【茅野 雅弘】


<INFORMATION>
代 表:明川 文保
所在地:東京都港区新橋6-4-3
設 立:2013年3月
TEL:03-5733-5895
URL:https://devnettokyo.jp


<プロフィール>
明川 文保
(あけがわ ふみやす)
山口県生まれ。DEVNET INTERNATIONAL 世界総裁、(一財)DEVNET JAPAN代表理事、東久邇宮国際文化褒賞記念会代表理事。1973年山口県防府市に日本初の冷凍冷蔵庫・普通倉庫を備えた3温度対応の総合流通センター開設。岸信介元首相後援会青年部会長、安倍晋太郎衆議院議員私設特別秘書、九州・山口経済連合会(現・九州経済連合会)の国際交流委員・運輸通信委員・農林水産委員、山口大学経済学部校外講師などを歴任。

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