2024年07月17日( 水 )

違和感満載の大本営岸田訪ウ報道

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事(メルマガ版)を抜粋して紹介する。今回は、岸田総理が主権国家のトップとしての気概もなく、欧米に追随してゼレンスキー詣でをおこなったことを問題視する3月21日付の記事を紹介する。

 岸田首相がインド訪問のついでにウクライナを訪問したことが報じられた。WBCの試合終了直前にニュース速報として報じられた。

 NHKは直後の正午の定時ニュースで30分の時間をかけて報道した。日本全体は日本代表がWBC準決勝で劇的サヨナラ勝利を飾ったことから、これに釘付けになっていたことと思われる。

 NHKだけがあらかじめ用意していたと思われる30分の放送を強行し、違和感が充満した。直前に日本代表が逆転サヨナラ勝利を飾ったから、まさに新鮮なトップニュースだった。しかし、NHKはニュースでWBCが存在した匂いすら漂わせなかった。

 G7の首脳で岸田首相だけがウクライナを訪問しておらず、岸田首相はG7までにどうしてもウクライナを訪問したいと考えていたようだが、G7首脳陣の幼稚さが際立つ結果になっている。鳩山元総理が「子どもじゃあるまいし」とツイートしたことが報じられたが、多くの賢明な国民が共感を覚えたと思われる。

 ゼレンスキーはウクライナを支援する国に執拗に支援を迫り、どこへでも出向く対応を示し、ウクライナに武器支援する欧米諸国は南極点到達競争かのようにキエフ訪問を競ってきた。ゼレンスキーの要求は何とかのひとつ覚えの如く、武器をくれの一点張り。世界中を飛び回ってしつこく武器供与を要求している。

 米国を中軸とする欧米は野放図に武器供与を繰り返しており、このことによって戦場で多数の人命が失われている。欧米諸国の劣化が極めて深刻な状況だ。

 いま追求するべきことは戦乱の収束であって戦乱の拡大でない。

 世界のなかで戦乱の収束を模索しているのはロシアのプーチン大統領と中国の習近平主席だけだ。習近平氏はロシアを訪問して、プーチン大統領と膝をつき合わせて協議し、戦乱の収束方法を話し合ったと見られる。世界が追求するべき方向がこの方向であることは間違いない。

 ウクライナが正義でロシアが悪との見立ても成り立たない。そもそもこの戦乱が生じた根本原因は、ウクライナがミンスク合意を一方的に踏みにじったことにある。ゼレンスキー自身が2019年の大統領選でミンスク合意の履行と、それによるウクライナ東部の和平確定実現を公約に掲げていた。

 ウクライナは2015年に東部2地域とミンスク合意を締結している。この合意にはロシア、ドイツ、フランスも関与した。合意は国連安保理で決議され、国際法の地位も獲得した。ウクライナ政府が誠実にミンスク合意を履行していれば戦乱は発生していない。

 ミンスク合意履行に強く反対したのはウクライナの極右勢力だ。ゼレンスキーは極右勢力の脅しに屈してミンスク合意を踏みにじる方向に転向した。そして、この方向を強く誘導したのが米国のバイデン政権である。

※続きは3月21日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「違和感満載の大本営岸田訪ウ報道」で。


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