2024年11月21日( 木 )

ステマ規制を告示 10月1日から取り締まりの対象に

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

 消費者庁は28日、広告であることを隠して宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」を景品表示法の指定告示に追加し、運用基準を公表した。10月1日から施行する。

2要件を満たせばステマに該当

 ステマは、広告と気づかれないように社会的影響力をもつインフルエンサーやタレントに宣伝してもらったり、一般消費者に事業者の意向に沿ったクチコミを投稿してもらったりする行為。欧米などの先進国は厳しい規制を敷いているが、日本では広告であることを隠す行為自体を規制する仕組みはなかった。

 告示によると、(1)事業者の表示である、(2)一般消費者が事業者の表示であると認識できない、の2要件を満たすとステマに該当する。ステマを行った事業者は景表法違反に問われ、再発防止策の構築などを求める措置命令が適用される。

 運用基準では、どのような場合に事業者の表示と判断されるのか、また、どのような場合に一般消費者が認識できないと判断されるのかについて、基本的な考え方を示した。

 単に、商品を無料で提供したり、表示を依頼したりしただけでは規制できないことから、「事業者が表示内容に関与」したかどうかがポイントとなる。その際、具体的なやり取りの有無、対価の提供、過去の関係性などを考慮して判断される。

 一般消費者が事業者の表示であると認識できる事例に、「広告」「プロモーション」「PR」「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった記載を挙げた。

通報窓口と相談窓口を設置

 河野太郎消費者担当大臣は閣議後の記者会見で、「施行は10月1日だが、それまでにどういうものがステマに当たるのかをきちんと知らせていく必要がある。通報窓口、事業者からの相談窓口も設置したい」と述べた。

 ステマを行った可能性のある事業者では、9月末までの周知期間中に、広告の修正・削除といった対応が必要となる。

【木村 祐作】

法人名

関連キーワード

関連記事