別次元の世界へ躍進した企業とは?代表的な企業に見る4つの条件(前)
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10年は絶対に潰れない頑強な企業体質
2008年のリーマン・ショック以来、内需拡大(社会的インフラ充実投資先行)の政策によりその恩恵を受けた。かつ的確な経営策があたり業績アップをはたしてきた企業が増加した。上場企業ばかりでなく非上場企業でも頑強な企業が続々と現れ始めた。無借金企業も珍しくなくなりこの傾向には金融機関も頭を痛めている。中小企業でも金融機関から無理に金を借りる必要がなくなったからである。『貸してやる』という高飛車な融資をできる相手が少なくなったのだ。
「10年間、必死で含み損の資産の償却に奔走してきた。おかげさまで3期前の決算で完全に負の資産を撲滅できた。借入もゼロになった。結果、収益がグ、グーンと高まった」とある経営者は自慢げに語る。リーマン・ショックの痛手を受けたある建設会社の社長と先達て会食した。この社長も「いやー、近々、5年位は増収増益の業績を維持してきたおかげで累積赤字を一掃できた」と喜びの声をあげた。
別次元の飛躍の玄関口に立っている経営者の次策は節税決算をすることである。プロの助言を生かして巧妙な対策を講じていくであろう。そうなると簿外の資産も膨れ、自己資本も膨張していく。自己資本総額が資本金の20倍を上回る企業も珍しくなくなる。中小企業のなかには「この企業は絶対に10年先までは潰れないぞ」と断言できる頑強な企業体質を有するケースが増えてきたのである。当然、社員の待遇をアップしていくであろう。
別次元企業の条件
これまで「I・B」では『別次元の躍進企業』という扱いで企業紹介を行ってきたが、すでに『別次元企業の定義づけの段階』に到達したと判断する。
定義とは、(1)財務的には無借金状態であり、資本金の20倍を超える自己資本額であること。(2)従来の本業を控えめにしても経営が存続できるビジネスモデルを完成していること。とくにストックビジネスが構築されていればなお一層の体質強化が可能になる。(3)業界で圧倒的なシェアを握るか、強力なヒット商品で同業他者に脅威を与える能力をもっている。また、(4)社会貢献事業も両立できる企業体質を有すること。
この4条件を具備した企業を『別次元企業』とする。もちろん、4条件をすべて満たす必要はない。たとえば(3)の項目で怖れいっているのが、(株)明月堂(本社:福岡市博多区東那珂、秋丸真一郎代表)である。お馴染みの人気商品『はかた通りもん』を売り出している菓子業者だ。「もう人気は廃れるであろう、廃れるはずだ」と同業者から妬みの声が高まるのであるが、一向にその気配はない。もう20年間もヒット商品として君臨しているのだ。
同社の売上を参照されたし!!年商60億円に迫る勢いである。『はかた通りもん』に続くヒット商品の誕生には至っておらず、売上増への貢献は主力商品が担っている。売上60億円の70%が『はかた通りもん』である。同業者の妬みの弁を紹介する。「主力商品で売上の70%を占める期間が10年以上続けば間違いなく20%前後の税前利益を叩き出すことは可能であろう。明月堂さんは我々の世界の常識から鑑みれば別次元の企業である。羨ましい限りだ」と。同社の場合は「現状のままでも20年間の存続が確定的」といえる。
(つづく)
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