日本株投資にベクトルが揃う23年春~新しい資本主義の好循環が始まる(前)
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NetIB‐Newsでは、(株)武者リサーチの「ストラテジーブレティン」を掲載している。
今回は4月13日発刊の第329号「日本株投資にベクトルが揃う23年春~新しい資本主義の好循環が始まる」を紹介する。桜の花とともに日本株ブームが到来しそうな雰囲気が高まってきた。1980年代のJapan as Number Oneから1990年代のJapan Bashing、2000年代のJapan Passing、2010年代のJapan Nothing(日本無視)を経て、再度日本に世界の注目が戻る兆しがある。コロナによりオリンピックには間に合わなかったが、今年の広島サミットは日本再注目の舞台を整えるかもしれない。
(1)千客万来、日本リスペクトの顕著な高まり
千客万来の予兆が諸所に現れている。韓国尹大統領、ドイツショルツ首相など日本に距離を置いてきた諸国首脳の使節団を引き連れての来日が相次いでいる。
専制国家と対峙する米国の最有力の同盟国かつ専制国家に境を接している日本、素材・部品・装置などハイテク工業力・技術力で世界トップを維持する日本、ハイテクサプライチェーンで不可欠の環を持つ日本、ダイバーシティを標榜するG7で唯一の非白人国であり、Global South(途上国)との接点を持つ先進国日本、自縄自縛とも思われる平和主義の国日本、ならず者国家ロシア、中国、イランに独自の戦略的互恵関係を維持している日本など、日本の稀有な立ち位置が今ほど世界から必要とされるときは、歴史上なかった。千客万来の予兆といえる。
世界最大のホット観光スポット
お得感満載の日本は、外国人観光客でごった返している。2021年のWEF観光開発力ランキングで日本は1位になった。インフラ、文化遺産、豊かな自然と四季などが根拠である。これにおいしい食事(ミシュランランキング入りレストラン数の都市別順位1位東京201店、2位パリ118店、3位京都107店、4位大阪94店、5位香港71店、6位ロンドン70店、7位ニューヨーク65店と圧倒的)、その後の円安による割安さを加えれば日本の観光競争力は圧倒的である。
今月コロナ規制が撤廃される中国人の急増も予想され、2023年には過去ピークの2019年の3189万人に迫り、いずれ世界最大のフランス9000万人に伍していくだろう。
ハイテクの日本投資ラッシュ始まる
ハイテク投資に日本ラッシュの兆しも現れている。TSMC熊本工場第二期、ラピダス千歳工場5兆円プロジェクトに加え、韓国尹大統領訪日に随行したサムスン、SKハイニックスなど、韓国半導体企業も対日投資を検討するとみられる。半導体次世代技術のカギとなる3D化にともなって後工程が重要になるが、TSMCが日本に開発拠点を設けるなど、日本が後工程技術のハブになる可能性がある。また、OpenAIの創始者サム・アルトマンがChatGPT発売後初の外遊先として日本を訪れ、岸田首相と面会した。
さらに日経新聞は、施設規模を示す電力容量が現在北京の半分に過ぎない東京のデータセンターにおいて、経済安全保障に基づく投資が急増し3~5年で北京に匹敵するアジア最大レベルに到達すると報告している。企業の国内投資回帰も目白押し、京セラ、安川電機、キヤノン、富士フィルム、ローム、ルネサス、日立、パナソニック、資生堂、ユニ・チャーム、ライオン、アイリスオーヤマなど、枚挙にいとまがない。
(つづく)
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