2024年11月20日( 水 )

九大が研究・教育環境向上を目的に新制度 現役・退職教職員にメリット

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    九州大学はこのほど、現役研究者の研究時間確保や研究力向上を目的とする制度「九州大学頭脳バンク Q-Brain Bank」を創設した。現役教員が行う授業の一部や委員業務などを、定年退職した教員へアウトソーシングするもの。現役教員が研究に集中できる環境づくりに役立てると同時に、定年退職教員の能力・知識・経験・人脈を研究費獲得支援や、学生へのカウンセリングなどに生かす。これにより教育研究を活性化し、世界最高水準の知のプラットフォーム形成を目指すとしている。

 ウェブシステムにより定年退職した教員と、定年退職教員に業務を依頼したい現役教職員をマッチング。これにより、スムーズなアウトソーシングが可能となり、現役教員の研究時間の確保が実現できるとしている。また、同制度をフリークォーター制度(研究活動のため、3カ月の間、教員の教育や管理運営業務を免除する制度)などと組み合わせることで、より多くの教員がまとまった期間、研究に集中できる環境になるという。

 同大学の荒殿理事・副学長は、「研究力を向上させるためには、研究者が研究に没頭できる時間の確保が何より大切。本制度は定年退職した教員の能力や経験、人脈を生かすことで、本学の教育研究力の向上が期待されることはもちろん、人生100年時代の到来において、定年退職者自身が退職後も生き生きと活躍できる場の提供にもつながります」とコメントしている。

【田中 直輝】

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