カンボジア地雷撤去キャンペーン(CMC) 創立25周年を迎えて
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(一財) カンボジア地雷撤去キャンペーン
理事長 大谷 賢二コロナ禍という長いトンネルを抜け、2023年の今年、カンボジア地雷撤去キャンペーン(CMC)は創立25周年を迎えました。私1人で立ち上げた活動も、現在では北海道から沖縄まで全国に支援の輪が広がり、カンボジアの地雷被害者も活動開始時の約100分の1にまで減って来ました。
私がカンボジアに関わり始めたのは27年前、最初の10年間は、電気・水道・ガス・道路といった基本インフラがまったくないといえるほど、地雷原がある地域での生活は厳しいものでした。特に深刻だったのは飲み水で、私たちの現場となる地雷原の周辺地域や農山村地帯では川や池、ため池の泥水を飲まざるを得ない状況でした。
しかし、ここ数年、カンボジアには海外からの投資が急増し、今ではプノンペンを中心に高層ビルが林立しています。ただし、見た目の発展とは裏腹に、富裕層と貧困層の経済格差は拡大しており、人身売買、児童買春、ストリートチルドレンなど、劣悪な環境下で苦しんでいる子ども達が存在する実態があります。
20年初頭からのコロナ禍では、世界的に人々の移動が制限され、経済が一時停滞しました。この間、私たちの活動も大きく制限を受け、国際イベントや街頭キャンペーン、また講演活動もほとんどが中止や延期となりました。コロナの直撃を受けた企業からの支援も激減し、一時は会の運営が危機的状況にもなりました。05年からCMCが制作・放送してきたラジオ番組「ボイスオブハート」も20年に中止せざるを得なくなりました。
そのような状況下で活動の支えとなったのは「書き損じはがき回収プログラム」でした。全国の行政、マスコミ、市民、学校など皆さまのご協力により、どうにか現地活動を維持することができました。また、クラウドファンディングにも初めて挑戦し、「CMCコーントライ夢中学校」の新校舎建設費用の約半額を調達することができました。
22年11月、2年9カ月ぶりにカンボジアへの再訪が実現。私たちの念願であった校舎の落成式を迎え、子ども達の笑顔と再会することができました。21年には、外務大臣表彰の栄を賜りましたのも、皆さまのご支援あってのことと、心より御礼申し上げます。
前述の通り、カンボジアの地雷被害者は約100分の1まで減少しましたが、CMCも幾許かの貢献ができたことを誇りに思います。同時に、地雷原の村での小中学校建設により、都市部と地雷原がある辺境地域との教育格差の改善に多少なりともお役に立てたことは子ども達の笑顔が物語っています。学校建設に資金を提供してくださった(株)データ・マックスはじめ企業、団体、個人の皆さまに心より感謝申し上げます。
これからもCMCは地雷被害者ゼロ、格差是正の実現を目指し地雷原地域の人々とともに歩んでまいります。
<INFORMATION>
(一財) カンボジア地雷撤去キャンペーン
代 表:大谷 賢二
所在地:福岡市早良区西新1-7-10
創 立:1998年5月
設 立:2011年4月
TEL:092-833-7676
URL:http://CMC-net.jp
<プロフィール>
大谷 賢二(おおたに けんじ)
1951年福岡市生まれ。福岡県立福岡高校、九州大学法学部卒。98年5月にNGOカンボジア地雷撤去キャンペーン結成。2011年4月に(一財)カンボジア地雷撤去キャンペーンを設立、理事長に就任。08年にアジア人権基金より「アジア人権賞」を日本人として初受賞、18年にカンボジア首相から感謝状授与、21年に「外務大臣表彰」を受賞。関連記事
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