2024年12月23日( 月 )

中国のコーヒー産業は大きく上昇(前)

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 最近の数年間、コーヒー産業は大きく上昇してきた。中国市場調査会社「満幇」のデータでは、2022年のコーヒー輸送量は10月と12月にピークを迎え、とくに12月は前月比30%以上増加した。

コーヒー産業の「新一都市番付」が発表

中国 コーヒー    「満幇」のデータでは、蘇州には過去1年間に9万t近いコーヒーが運ばれ、引取量のランキングでトップに立った。これは蘇州がコーヒー豆の深加工分野で事業を展開していることと密接な関係がある。数多くのコーヒーの有名ブランドが焙煎拠点を蘇州に設立したと同時に、コーヒー+昆曲(古典劇)、コーヒー+書店など、業界の枠を超えたコラボ消費が蘇州で台頭した。大まかな統計によれば、蘇州の都市部には現在、カフェやコーヒーショップが1,600カ所以上あり、従業員は1万人を超えるという。

 番付2位の昆明は「中国のコーヒーの都」である普洱(プーアル)の「お隣さん」で、雲南コーヒー豆の輸出経由地だ。毎年、普洱のコーヒーが切れ目なく昆明経由で海外市場へ運ばれている。

 成都では、スナック文化から「昼間はコーヒー、夜はアルコール」の消費モデルが生まれている。広州では、腸粉(米粉のクレープ)にコーヒーシロップをかけたものからオリジナリティあふれるコーヒーの現地化融合の様子をうかがうことができる。

 全体として言えるのは、一線都市が引き続きコーヒー輸送の主要な目的地だが、これと同時に、コーヒー産業チェーンに牽引されて、それに関連する都市のコーヒー輸送における「地位」も軽視できなくなったということだ。

コーヒーはもう大都市だけのものではなくなった?

 ここ数年の中国経済の発展にともない、多くの二線都市・三線都市の消費者も徐々にコーヒーを好きなだけ楽しめるようになった。公開されたデータを見ると、2021-22年の三線都市のカフェ店舗数の成長率が19%と最も高かった。満幇のデータでは、過去1年間近くのコーヒー引取量番付の上位10都市のうち、一線都市は深センだけで、他には鄭州、仏山、楽山などの都市が並んだ。

 輸送ルートを見ると、普洱のコーヒー輸出ルート「普洱-昆明」がコーヒー人気輸送ルートで1位になり、2位のルートの15倍に達した。

 山東省をはじめとする華東地域は中国のコーヒー加工メーカーの集積分布エリアで、海外から輸入されたコーヒー豆は同省青島を経由して煙台で加工された後、大消費都市に運ばれるという。

コーヒー文化は上海の生活スタイルにもなっている

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 上海では、コーヒー業界が長きにわたって、はつらつとした生命力を示してきた。コーヒー文化はこの都市の生活スタイルにもなっている。

 「上海概覧2023」によると、2023年4月末現在、上海にはカフェが8,000カ所以上あり、世界一となり、ニューヨーク、ロンドン、東京などの大都市をはるかに上回っている。上海では1km2当たりカフェが1.3店あり、人口1万人当たりのカフェ店舗数は3.16店になるという。

 カフェは消費の場所であるだけでなく、上海という都市の文化的なぬくもりを伝え、人々が社交やビジネスを展開する「第二の応接室」になっている。

 コーヒーを通じて、上海の力強い消費力をうかがうことができる──中国の年間1人当たりコーヒー消費量は4〜5杯ほどであるのに対し、上海は20杯を超えている。コーヒーを通じて、上海の力強いオリジナリティをうかがうこともできる──上海に数多くあるカフェにおいて、こだわりのカフェと独立系カフェが55.88%を占めている。

 コミュニティの公共スペースに融合する小規模カフェ、障がい者のスタッフが運営の中心を担う「熊の手カフェ」、認知症の高齢者のために設立した記憶カフェ……上海のカフェは多様で包摂性がある。

(つづく)


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