2024年07月16日( 火 )

2040年には住宅建設技能者が20年比6割に減少 野村総研予測

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新設住宅 イメージ    野村総合研究所はこのほど、日本における「2023~40年度の新設住宅着工戸数」「22~40年のリフォーム市場規模」「25~40年の住宅建設技能者数」について、それぞれの推計・予測を発表した。それによると、40年度の新設住宅着工戸数は22年度の86万戸から、40年度には55万戸と減少するとしている。

 利用関係別に見ると、40年度には持家(注文住宅)が15万戸(22年度25万戸)、分譲住宅が12万戸(同26万戸)、貸家(給与住宅を含む)が28万戸(同35万戸)になると見ている。一方、40年の住宅建設技能者数は、約51万人に減少するとし、これは20年(約82万人)の約6割にあたる。

 住宅市場は需要の減少と供給力不足が同時に進行する状態となるが、供給力の減少ペースが需要のそれより早いということになる。住宅建設技能者1人あたりの新設住宅着工戸数は、労働力が過剰も不足もしていなかった10年ころは年間約0.8戸だった。しかし、足元ではすでに約1.0戸となっており、25年以降は約1.1戸になる。つまり、40年度には今以上に働き手の負荷が高まり、建設現場の生産性を10年比で約1.3倍に引き上げなければ、住宅需要を賄えなくなる可能性があるということだ。

 同研究所では、「直近10年間、建設現場ではさまざまな生産性向上に向けた取り組みが行われてきたにもかかわらず、人手不足問題が解消されていないことを踏まえると、今後は現場レベルの取り組みを超えた、業界を挙げての思い切った改革が必要となる」と見ている。

 なお、リフォーム市場規模については、今後もわずかながら成長を続け、40年には8兆円台後半(21年は約7.6兆円)となり、僅かながら増加するとしている。狭義のリフォーム市場規模は、それより約1兆円小さい規模になるとしている。

【田中 直輝】

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