アサヒ、中国ビール市場へ再投資か 94年に伊藤忠商事と参入
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米ビジネス専門チャンネルのCNBCは5月30日(現地時間)、アサヒグループホールディングスが中国市場へ再び参入する計画があると報道した。
アサヒグループホールディングス・勝木敦志社長はCNBCに対して「アサヒの主力商品・アサヒスーパードライは、中国市場で最も売上が高く、毎年2桁成長を続けており、中国市場に再度投資したい」と語った。
同社は1994年に伊藤忠商事(株)と共同でChina Strategic Investmentビールホールディングス社の株式を取得、中国市場への参入を開始した。その後、一貫して中国現地会社に経営参加し、生産技術・品質の向上を実現したうえで「アサヒブランド」の確立と販売戦略を進め、ビール事業以外にも農業事業、牛乳事業へも参入していた。しかし、その後、中国市場における業績が低迷、2017年には農業事業と牛乳事業から撤退。同年、保有していた青島ビールの株20%も売却している。
2019年からアサヒは、中国でプレミアムビールの販売を加速している。同国のビール市場は低成長が続くが、プレミアムビール市場は2ケタもの成長が期待できる。主力の「アサヒスーパードライ」の販売は好調で沿岸部の大都市を中心に拡販。2018年からは欧州ビール事業のプレミアムビール「ペローニ・ナストロ・アズーロ」と「ピルスナー・ウルケル」を投入しており、同市場での存在感を高めていく。
中国ではスーパードライ、ペローニ、ウルケルを戦略ブランドと位置付けて拡販する。欧州ブランドは北京、上海など沿岸部の大都市で拡販していく。現在、販売地域は沿岸部の都市から内陸の武漢や成都にも拡大している。先々は内陸部での販売強化も進めていく。
勝木敦志社長は「中国市場に参入した当初は、競争力のある商品がなく、価格競争でも後れを取り、2017年に撤退することになった。最近では、世界的なビールブランドやクラフトビールの参入により、中国のビール市場は大きく成長している。そこでアサヒビールも世界最大のビール市場となった中国で、再び投資を活性化させたいと思い中国市場への参入を再度検討している」と述べた。
アサヒスーパードライが根強い人気を誇る中国で、アサヒグループホールディングスが今後どのように中国市場へ再投資を行うのか注目されている。
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