2024年11月28日( 木 )

金融政策ヤマ場が7月末に到来

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、2023年の世界経済はスタグフレーション進行という大勢の専門家の見通しに反し、軟着陸(ソフトランディング)が実現すること、また、国民生活を圧迫するインフレ亢進の元凶は、コロナ対策と称した過剰な流動性供給にあることを論じる7月19日付の記事を紹介する。

 世界の金融市場が大きな荒波を乗り越えようとしている。2022年の金融市場を襲ったインフレという大波。欧米のインフレ率は二桁目前にまで急騰した。

 FRBは激しい勢いで金利引き上げを遂行。2023年はインフレが燃えさかるなかで金融引締め政策が持続されてインフレが残存するとともに、景気の大幅落ち込みが発生するとの警戒論が唱えられた。

 インフレと景気後退=スタグネーションの同時進行。これをスタグフレーションと呼ぶ。2023年の景気後退は必至とする主張が大勢を占めた。このため、2023年は株価が暴落して金融不安が拡大し、恐慌の様相を示すとの見解が並べ立てられた。このなかで私は市場の多数派見解とは異なる見通しを示した。

 2022年に猛威を奮った三大リスクが後退し、金融市場に明るさが広がるとの見通しを示した。米国長期金利が急上昇したから金融問題の発生は避けられない。金利急騰は必ず一定の金融波乱を生み出す。しかし、その金融波乱は恐慌につながるものにはならない。

 金融恐慌は回避されて株価が反騰する。とりわけ、日本株価は一般の見解とは異なり急騰を演じる。
圧倒的少数派見解を『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社)(https://amzn.to/3YDarfx)として年初に公刊した。日経平均株価は年初に25,500円でスタートしたが6月には33,700円にまで急騰した。

 私が執筆・発行している月2回のマーケット・レポート『金利・為替・株か特報』では、本年6月12日号に株価上昇の中休み局面到来=株価踊り場局面到来を予測した(https://uekusa-tri.co.jp/report-guide/)。

 6月中旬から7月中旬にかけて、予測通りの株価踊り場が示現した。2012年以来、今回を含めて4度観測されている株価急騰局面の中ほどに例外なく「踊り場局面」が観測されている。今回も類似した「踊り場局面」が到来することを予測した。

 当面の焦点は7月27〜28日の日銀金融政策決定会合だ。世界の中で日銀だけがインフレ下の金融緩和政策=インフレ推進政策を実行している。この政策運営が日本円暴落をもたらしてきた。

 日本の消費者物価上昇率は米国の消費者物価上昇率を上回った。インフレ進行は庶民の生活を圧迫するもので、百害あって一利もないもの。日銀の政策修正が不可避の状況になっている。日銀が7月会合で何らかの政策修正に追い込まれる可能性が高いことを指摘した。

※続きは7月19日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「金融政策ヤマ場が7月末に到来」で。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

関連記事