グローバル化かローカル化か(1)それぞれの人生選択
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子どもの為に尽くした母親
神崎(仮名)は姉と弟との3人姉弟である。神崎が小学校3年の時に、父親が急逝した。母親は国立病院の看護師として働きながら3人の子どもを育て上げた。3人とも大学教育は受けておらず、地元で就職した。弟は海外勤務を経験したが、すべて単身赴任である。
先だって母親が82歳で亡くなった。亡くなるまで子どもたちの世話には一切ならず、あの世へ旅立った。「子どもには一切面倒をかけない」という生き様を貫いたのだった。
筆者は神崎に尋ねた。「どのくらいの資産があったのか?」神崎の回答は「現金4,000万円と不動産は自宅だけです」というものだった。現金は3姉弟で案分した。自宅は3姉弟の集まりに利用しているそうである。この姉弟の子どもたちもすべて地元在住の様子だ。母親の人生と、それを見習う子供たちを見ると、このように一貫して地元(ローカル)に徹するのも悪くはないなとも思う。
グローバル化で稼ぐ
板橋女史(仮名)はコンサル会社に勤め年収2,000万円を稼いでいる。彼女のビジネス英語は天下一品である。彼女の父親は普通のサラリーマンであったが、娘には学費の超高い大学を卒業させた。ところで、板橋は離婚歴があり2女を育てている。彼女は自分の長女にも我が道同様のコースを強制しようとしている。我が道というのは「グルーバル化に染まって稼ぐ」ということである。だが、当の長女はこの押しつけ教育に反発して登校拒否をしているとか。
浜松(仮名)は父親の転勤に従って海外を転々としてきた。浜松自身は帰国子女が多く入学する有名な大学を卒業した。その後、大手商社に入社して海外勤務に励み、帰国してからエネルギー会社を立ち上げた。こちらは順調に、子どもたちにも自分と同様の道を歩ませることに成功しているようだ。浜松の家族たちは「グローバル化」の道に徹することで稼ぎきれるモデルになるであろう。
(つづく)
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