2024年11月05日( 火 )

第53回 東久邇宮国際文化褒賞授与式が開催

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 7月17日、東京・八芳園にて東久邇宮国際文化褒賞授与式が執り行われた。都内は梅雨明け前にも関わらず、輝く太陽の光が降り注ぎ、爽やかな一日であった。2009年3月から始まった同式典は今回で53回目を迎える。8名の受賞者と約50名の来賓者が参列し、会場は和やかな雰囲気のなかで喜びを語り合い、親睦を深めるひとときとなった。

 東久邇宮国際文化褒章は、東久邇宮記念会が主催する「東久邇宮記念賞」「東久邇宮文化褒賞」の国際向け顕彰事業であり、戦後初の宮家出身の首相である東久邇宮稔彦王の第一王子、東久邇宮盛厚王の御遺志をついで創設された褒賞である。

 国籍を問わず、日本と関係するあらゆる分野で多大な社会貢献をした人々を受賞の対象としている。功績を讃え、褒賞を授与するとともに、夢・希望・勇気・元気・やる気・自信・誇りを授けて、受賞者はもちろん全国民のさらなる飛躍を促すことを掲げている。

    (一財)東久邇宮国際文化褒賞記念会総裁・代表理事の明川文保氏は、自身と同じ山口県出身で、八芳園の所有者であった久原房之助氏に触れて、現在に至るまでの歴史背景を会場と共有した。また、褒賞が存在する意義やそれらを今後、より発展させていく抱負ついても語り、開催の挨拶とした。

 その後、さまざまな分野で功績を残した受賞者には、1人ずつ受賞の喜びと活動の詳細、今後の展望についてスピーチの時間が設けられ、各々が語りかける言葉、熱意に会場からは大きな拍手が送られた。うち3名、NAKAMURA NOBORU(中村ニック昇)氏、高宮城ネスター氏、郭洋春氏については、それぞれ建築・教育・警護面での功績を生かして、国連経済社会理事会(ECOSOC)がその総合諮問資格 (General Consultative Status)を認定する非政府組織(NGO)であるDEVNET INTERNATIONALと連携し、プロジェクトを牽引していくと発表された。この3名のスピーチについては別途紹介したい。

 会場の八芳園は、見る者を魅了してやまない美しい庭園が広がっている。池を中心とした回遊式庭園は、優雅に鯉が泳ぎ、樹齢500年以上の盆栽、水亭、茶室などがバランス良く調和して、日本の四季折々の美しさを感じることができる。過去参加者の多くが「一度目にしたら、忘れられない場所になる」と語る。受賞者は晴天下で笑顔の記念撮影を終えた後、木陰で額の汗を拭いながら談笑し、交流を深めた。

 東久邇宮文化褒賞記念会は、「東久邇宮国際文化褒賞を以って、国籍を問わず社会に貢献する知財を持つ方や、事業を行われている方々を広く顕彰していくと同時に、培われてきた発明や技術をその後の事業化へと発展させるため、人・物・情報・資金の交流を積極的に進める、世界でもほかに類を見ない顕彰制度へ育てたい」としている。

 近年、世界は感染症によるパンデミック、AIの進化、深刻化する環境問題、終わりの見えない戦争や飢餓など、急激に変化している。年齢や居住地を問わず、不安定な社会情勢で「何を目指し、どう生きるべきか」と、真剣に向き合う者は多い。同会は、伝統に敬意を払い、創立の原点に心を合わせつつ、新しい価値観や世界の変化を柔軟に受け入れて、功績者を称える姿勢を貫いている。それはやがて日本と世界の文化・経済の発展、そして平和に貢献するだろう。

■受賞者一覧(8名)

・NAKAMURA NOBORU(中村ニック昇) (株)Cosmo Link代表取締役、米国建築家協会フェロー(FAIA)、米国建築士(PMI)

・高宮城 ネスター Executive Protection

・郭 洋春 立教大学経済学部教授、立教大学前総長、豊島区商工政策審議会会長、関育英奨学金理事、国際アジア共同体学会理事長、政治経済学・経済史学会編集委員

・小山 央二 超電導フライホイール式電力貯蔵装置 開発者、スラグ石膏法排煙脱硫装置 開発者、フライアッシュによる水分吸収性セラミックス開発者、四国電力(株)研究開発部門OB

・西田 重和 セルコム(株)代表取締役社長、西田重和税理士事務所主宰、ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引主任者、国税庁、国税局、税務署などで総務課長や特別国税調査官を歴任

・福田 成明 (株)明成電気 代表取締役、自衛隊応援全国連合会、福岡会尼崎支部支部長

・柴谷 清将 (株)サクシーディア取締役

・北川 宜嗣 (株)Kitagawa.Company代表取締役社長

【清家 麻衣子】

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