2024年11月14日( 木 )

【建設業界】適正工期を宣言 国含め動向に要注目(前)

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建設現場 イメージ    労働基準法に基づく労働者の時間外労働上限規制を適用する猶予が、2023年度末に終了する建設業界。それを受け、(一社)日本建設業連合会(日建連)はこのほど、働き方改革推進や、24年4月からの規制への対応に「万全を期す」とする「適正工期確保宣言」を発表した。

 同連合会は、ゼネコンやそれらを構成員とする団体が連合した建設業者の最上位組織。今回の宣言を「元請として共同で真に適切な工期を確保するため」としている。

 宣言が対象とするのは基本的には民間発注の建築工事に係るもの。国や地方公共団体の発注の工事や、民間発注の土木工事は対象としない。宣言の内容は以下の通り。

 「日建連会員企業は、建設業の働き方改革を推進し、担い手確保を図るとともに、労働基準法に則り適正に工事を進めるため、発注者に対し見積書を提出する際に、工事現場の4週8閉所、週40時間稼働を原則とした適切な工期(以下「真に適切な工期」という)に基づき見積もりを行い、工期・工程を添付するとともに、発注者の理解を得るための説明を徹底する。
 また、協力会社から真に適切な工期を前提とした見積もりがなされた場合には、当該見積および工期・工程を確認した上でこれを尊重する」

 国は働き方改革の一環として19年4月施行の労働基準法の改正により、時間外労働時間の上限を設定し、労働者が置かれる長時間の労働状況を改善するべく企業に働きかけていた。

 代表的なものとして、労使間で締結する「36(サブロク)協定」があり、これに違反すると企業側に罰則が下されることとなっている。

 同協定では、労働者は月45時間、年360時間の範囲で時間外労働を可能とし、その枠組みから外れる特別条項の締結した場合でも、時間外労働は年720時間以内、時間外と休日労働の合計を月100時間未満としている。

(つづく)

【田中 直輝】

(後)

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