顧客の心をつかみ自分を買ってもらう営業 培われた技術力と信頼される社員が強さの理由
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(株)平山
人工芝と内外装のエキスパートが
そろう少数精鋭の企業(株)平山は今から約55年前、先代の平山政和氏が始めた車のシート張りを手がける工場が前身だ。以来、いくつかの変遷を経て現在では人工芝と各種建築の内外装の施工を主力事業として大野城市乙金東に本社屋を構える。
人工芝を取り扱う施工業というのはあまり見られない業態だろう。人工芝そのもののニーズもさることながら、その理由は素人では思い至らないような独自のノウハウがあり、簡単に参入できるものではないからだ。さまざまな条件下でクライアントの多様な期待に応えなければならない人工芝は、プロフェッショナルのみが実現し得るもので、たとえばその道で通用する人材になるためには軽く10年の歳月が必要だというからその難しさがわかる。多彩な製品の特性、気候や土壌などの環境の違いや実際に施工した後の変化も考えていく。そしてメンテナンスなどを通し多くの経験を蓄えていくことで初めて人工芝のエキスパートが誕生するのだ。
とはいえ現在、人工芝の売上高は同社の売上高全体のわずか15%にすぎない。これは人工芝の事業が衰退したということではなく、もう1つの主力事業である建物内外装施工の業績が伸びた結果、人工芝の比率が小さく見えるようになったという。そしてこの背景には同社の2代目社長である平山友和氏の存在が大きく影響している。
不動産会社時代に学んだ営業スタイルで、平山に新しい風を吹き込む
友和氏が同社の社員になったのは26歳の時。不動産会社で営業の世界を経験した後、父親が経営する平山に帰ってきた。
政和氏は自分の腕を頼りにたった1人で事業を始め、少しずつその実績を積み上げてきた職人気質の人物。そこに外の空気を存分に吸ってきた友和氏が加わる。まだ10名ほどの社員が働く小さな組織だったが、当初は創業者の息子、つまりは若造ということで社内には幾ばくかの反発もあったようだ。
「昨日今日入った人間が大きな顔ができるような仕事ではありません。ベテラン社員たちから見れば当時の私はずいぶんと頼りなく思えたことでしょう。でも、そんなプレッシャーに負けてはいられません。何の役職もない平社員からのスタートですから、とにかくみんなを納得させるような実績を出さなければ自分の未来はない。そう考えることで自分自身を奮い立たせました」(友和氏)。
不動産会社時代の先輩社員たちから徹底して叩き込まれたのは、顧客や先輩、そして同僚に愛される存在になることだったという。求められればプライベートの時間も惜しまず顧客と過ごし、絆を強くした。もちろんそれがすぐに結果に結び付くほど甘くはなかったが、不動産会社を離れる2年ほど前からその成果がみるみると現れ、上々の成績を上げることになったという。そんな友和氏が平山の社員になってまず取り組んだのは、不動産会社で懇意を得ていた得意先への訪問だ。この人脈が平山で役立ないわけがない。不動産に深く関係する内外装の事業でみるみる成果を収め、社内での発言権が増していったことはいうまでもない。顧客の心をつかみ自分を買ってもらう。先代とは一味違うアプローチで同社を盛り立てることに貢献したわけだ。
以後、そうした友和氏の仕事に対する想いは、平山の社風の基盤になったようだ。同社の強みは培われた技術力に加え、親しまれ信頼される社員の存在。これに尽きるという。
順調な右肩上がりの成長を実現しつつ
堅実経営でたしかな歩みを進めるさて、これまでの売上高を見てみると、もちろん多少の浮き沈みはあるが順調に右肩上がりで伸びていることがわかる。とくに友和氏が代表取締役として就任した2013年ごろからは好調だ。強いて指摘するなら42期に売上高10億円を超えた後に落ち込みがあるが、これについて同氏はこう語る。
「父の時代、会社をあげての一大目標は5億円の壁を超えることでした。それを達成した後、その勢いそのままに10億円の目標を掲げ邁進しました。数字は何とか達成したのですが、実はその際の中身があまり納得できるものではなかった。そこで軌道修正を図り現在のペースに落ち着いています。数字を追いかけるばかりでは意味がない。堅実な経営こそがあるべき姿だと実感しました」。もちろん、今後さらに伸びていくことは予想されるが、身の丈に合った着実な歩みを進めていこうという方針だ。
経理を担当し、採用の窓口を担当する田坂氏によれば、同社の業績は建設業にあってとても優れたものだという。同氏は長く建設業の経理事務に携わった経験を買われて入社してきた人物で、いくつかの同業他社を経験してきたからこそその言葉は信用に値する。給与、賞与などの待遇面でも同業他社を上回っているというから、今後もさらに期待できるだろう。
また、友和氏が「不動産会社時代の経験を生かし、事業を底支えできる不動産物件の獲得にも力を入れています」と語るように、主力事業に加え、自身の強みが発揮できる分野でさらなる安定経営を図る。
期待できる人材がいれば迷わず採用
堅固な基盤づくりの糧にこうした業務内容からもわかる通り、人材こそがすべてといってもいいのが同社である。当然、新しい人材の獲得にも積極的だ。「良い人材がいればどんどん迎え入れたい」と語る友和氏。これまでも期待できる人材がいれば迷わず採用し、平山の堅固な基盤づくりの糧としてきた。現在の平均年齢はおよそ45歳というから建設業としてはかなり若い。また、元気が一番の特色という社内だけにいつも笑い声が絶えない。そんなムードに満ち満ちているそうだ。
「新卒、中途、経験の有無、年齢を問わず、迎え入れた人材をしっかりと育て上げていく」と語る友和氏。今日では顧客のみならず部下である社員らにも愛される存在として、同社を力強く引っ張っているその姿が微笑ましい。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:平山 友和
所在地:福岡県大野城市乙金東3-10-16
設 立:1978年5月
資本金:1,000万円
TEL:092-503-3953
URL:http://hira-yama.jp<RECRUIT>
募集職種:営業、工事、事務
応募資格:新卒・中途、経験問わず
採用実績:2023年度/4人
問合せ先:092-503-3953
採用担当:田坂
<プロフィール>
平山 友和(ひらやま・ともかず)
1977年、福岡県生まれ。不動産会社に勤務した後、(株)平山へ入社。創立45年という節目の年である2013年に代表取締役社長に就任。博多21の会所属。趣味はゴルフ、スポーツジム、グルメ探索。法人名
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