【巨大地震に備える(1)】人口減は、南海トラフ地震以上の脅威~我が故郷、宮崎は消滅か
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前月比、4,196人減
4月29、30日、故郷の宮崎県に帰った。今回は大分自動車道から東九州自動車道を通っての帰郷だ。所要時間は3時間50分。昔から宮崎に入ると懐かしさのあまり涙が出る。それほど故郷への想いが他人よりも強いと自負している。
午前9時半、休憩のため権現崎にあるレストランに立ち寄る。そこで地元の宮崎日日新聞の記事を見て愕然とした。2018年4月29日(日曜日)
宮崎日日新聞本県推計人口4,196人減
1日現在、前月比
本県の4月1日現在の推計人口は108万1,413人(男性50万8,562人、女性57万2,851人)で、前月より4,196人減った。世帯数は前月比644世帯減の46万5801世帯だった。
3月の社会動態は3,607人減(転入3,543人、転出7,150人)、自然動態は589人減(出生652人、死亡1,241人)だった。
前月と比べ前市長町で人口は減り、減少幅が大きかったのは宮崎市1,049人、都城市1,018人、延岡市856人など。「本県推計人口4,196人減」(4月1日)という見出しに衝撃を受けた。この数字は前年比ではない。対前月比(3月比)なのだ。3月は転出数の急増が通例になっている。社会動態では3,607人の減、自然動態(出生・死亡)では589人の減、総数4,196人減となっているのだ。宮崎市・都城市などの県内中核都市でも1,049人、1,018人と人口減少が著しい。
恐ろしいのは自治体消滅が目前に迫っているという現実だ。一例を挙げよう。福岡市の面積が343km2、宮崎市は643km2、宮崎県の椎葉村は537km2、宮崎県の西米良村が271km2だ。福岡市の人口157万人、宮崎市39万8,360人(周辺の市町村を吸収して人口増をはたしている)、椎葉村2,608人、西米良村1,032人。平家の落人伝説で有名な椎葉村の面積は福岡市の約1.6倍だが、人口は僅かに2,000人台。西米良村に至ってはさらに少ない。
2村以外の内陸部の町も風前の灯火状態である。10年もすれば消滅する自治体が出現してもまったく不思議ではない。
宮崎県は2030年までの人口を当初は100万人を死守するという目標を掲げていたそうだが、その後、97万7,000人へと引き下げている。今回の里帰り最大の目的は「南海トラフ地震発生による被害想定」をすることだった(前回のレポート「神の怒り、自然の破壊力に~慢心人間の無力」参照)。南海トラフ地震による被害は静岡県につぎ宮崎県がトップクラスだと予想されている。だが、この南海トラフ発生前に人口減によって宮崎県の各自治体が消滅してしまう可能性が高まってきた。
自慢の故郷の灯台
今回のもう1つの目的は日向灘に浮かぶ島の灯台にのぼることだった。港から5キロ沖合にある灯台から、じっくり故郷を眺めてみたくなったのだ。「こういう思いが湧くのは人生の末期を迎えたからなのかな?」という自問自答を繰り返しつつ、船に揺られること15分、目的の灯台に着いた。
灯台がある島の周辺には7つの岩礁がある。この日は釣り人が30人ぐらいいただろうか。故郷の友人と、我が故郷を眺め、若き日に思いを巡らし、持参した弁当を食べつつ昔話に花を咲かせた。
その後、波の音を聞きながら1時間ほどまどろんでいた。その間、脳裏には故郷の懐かしい光景が次々と浮かんできて、心地よい時間を過ごすことができた。故郷の自慢話をもっとしたいところだが、今回は文章よりも写真を見ていただければと思う。
(つづく)
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