2024年12月22日( 日 )

【加藤縄文道4】縄文道と平和への道(縄文道通信107号)

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(一社)縄文道研究所
代表理事 加藤 春一 氏

 NetIB-Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
 今回は第107号の記事を紹介する。

縄文道と平和問題

 この内容は、小生が顧問の日本ビジネスインテリジェンス協会の185回情報研究会にて発表したものである。2024年2月22日に衆議院議員第二議員会館会議室にて、元国連大使 谷口誠氏を偲んでの勉強会での内容と同じであることを御了解願う。

前提認識

1. 縄文文化は世界最古の約1万6,500年前に始まった。青森県大平山元遺跡から縄文土器が発掘され、紀元前800-500年前まで、約1万4,000年間続いた、世界最長の文化である。

2. この長期間、現在まで人間を殺傷する目的の武器は、日本で約10万個所の縄文遺跡、遺構、遺物が発掘されているがまったく発見されていない。

3. 人骨に傷が発見されているが、極めて稀で殺傷率が1.8%とほか古代文明圏の平均10%以上と比較して低い。長期に平和で安定した定住生活集団を形成した。

平和な時代を形成できた理由

・日本列島の気候条件が更新世(寒冷期)から完新世(温暖期)に移行し、海面上昇約100mで、日本海が完成し、大陸との横断が途絶えた。
・温暖な気候と列島の特異な自然環境ながら、多くの食材が手軽に入手できた。以下はその例。
魚介類 昆布類―タウリン
根菜類の豆―イソフラボン
顕果類(クルミ、トチ、クリ)―マグネシウム
栄養バランスが良い和食の原型が縄文食で自給自足経済が完結。

・さまざまな道具は発達したが 人を殺傷する目的の武具の生産の必要性が無かった。
・母性社会であった。
土偶約2万個、縄文ビーナス、縄文の女神、仮面の女神、平和志向の社会
・自然法―アニミズムのなかでの自然倫理があった(和辻哲朗の日本倫理思想から)。弥生時代から紛争、戦争、始まった。
(弥生時代から紛争が始まった)BC1,000年-AD300年。紛争、戦争の理由は以下の通り。

(1)稲作農法が大陸から輸入された。
(2)土地の私有権
(3)収穫物 コメの生産性の格差
(4)青銅器、鉄器の制作から武具の開発と使用

日本が対外的に戦った戦争の歴史

(日本史のなかでの対外戦争の数 総数9回)
・白村江の戦い 660年―663年 日本敗北
・文永と弘安の役 1274年と1281年 元寇から救国
・文禄・慶長の役 1592年と1597年 朝鮮出兵
・日清戦争 1894年 勝利
・日露戦争 1904年 勝利 
・第一次世界大戦 1914年―1917年 戦勝国
・満州事変 1931年 帝国主義的植民地主義
・日中戦争 1937年 中国大陸への植民地主義、軍国主義
・太平洋戦争 1941年―1945年 敗戦
日本は最初の白村江の戦いと近年最後の太平洋戦争のみ敗戦した。

戦争回避の為の絶対平和

 ―「縄文へ還ろう」とキリスト教平和思想―
・縄文文化は上述の通り平和で長期的安定した社会
・キリスト教平和思想の原点
新約聖書 マタイ伝5章38節-48節 復讐してはならない。敵を愛しなさい。

 この思想は一貫して欧米キリスト教社会に継承されてきた普遍的、世界的倫理基準。
12世紀アッシジの聖フランシスコの平和の祈りから、現在の国際連合、国際連盟の思想はフランスの聖職者サン・ピエール司教の発案で、カントの永久平和論やルソ―の平和思想へ影響を与えた。

 国際連盟は1920年、アメリカのウイルソン大統領の提唱で第一次世界大戦の悲劇を繰り替えさない為に創設された。日本、イタリア、ソ連など主要国家脱退し第二次世界大戦終結で解散。新渡戸稲造は国際連盟事務局次長だった。

 国際連合が国際連盟を継承。第二次世界大戦終了後、二度と世界大戦を引き起こさないためにアメリカ、イギリス、ソビエトが中心に国際連合が、1945年創設された。サンフランシスコで安全保障常任理事国の5カ国が決まり全員一致の原則が確立された。

「日本のための平和論」(ヨハン・ガルトウイング博士)
徹底した対話と外交、他者転嫁、賠償、謝罪、懺悔、法廷での告白、カルマー、済んだことはあきらめる、対立の原因の内部検証、歴史の追体験、悲しさ癒しの共有。共に再建、復興、将来像を共に考える、ホノボノ的和解。

縄文道 提案

1.対話と地道な国司連合を軸とした平和外交の展開
2.自衛隊、海上自衛隊、海上保安庁 防衛力強化
3.シェルター、すべての地下鉄活用-東京都300キロ
4.バチカン、スイス、サンマリノ共和国の外交団と結束、連帯 
5.敵対国と見做される国―中国、ロシア、北朝鮮とのパイプを持つ。強力で賢い外交官配置(垂秀夫前中国大使ら)
6.外国人との国際結婚と親日外国人増やす。日本化した外国人の登用
7.キラリと光る科学技術、文化国家、平和国家を目指す
8.日本国民の防衛意識の自覚と危機回避への意識変革

終わりに

 人類の歴史は縄文思想、キリスト教思想が理念としてありながら不条理な戦争で明け暮れてきた現実は直視する必要がある。しかし、一方で平和を祈り、願ってきた多くの人民とリーダーが存在していたことも事実である。今は世界のリーダーが目には目をから、目には愛への原点への回帰を祈る。


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