2024年11月29日( 金 )

松浦通運 AEO制度の通関業者認定で、より柔軟な輸出入サービスの提供へ

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松浦通運(株) 代表取締役社長 馬渡雅敏氏
松浦通運(株)
代表取締役社長 馬渡 雅敏 氏

    総合物流サービスを展開する松浦通運(株)(本社:佐賀県唐津市、馬渡雅敏代表)が、先月26日付けで、門司税関からAEO制度における認定通関業者としての認定を受けた。

 同社は佐賀・福岡を拠点に、貨物の運送からロジスティクス業務を担う倉庫業をはじめとして、輸出入貨物の通関など幅広い物流サービスを提供している。

 今回AEO制度における認定通関業者として認められたことについて、同社の馬渡雅敏社長は、「今回の認定で、貨物の輸出入をより効率的かつスピーディーに行えるようになった。当社の強みである運送から倉庫まで提供できる物流インフラの一環として、顧客のニーズに応えたより柔軟な輸出入サービスを提供していく」と語った。

AEO制度で、保税地域に縛られない通関が可能に

 AEO制度とは、国際貨物における安全管理と法令遵守の体制がととのった事業者に対して、税関手続の緩和や簡素化を提供する国際的な制度。輸出者、輸入者、倉庫業者などそれぞれの立場に応じて認定される。松浦通運はこれまでの優良通関業者としての実績により、AEO制度の認定通関業者に認められた。門司税関管内では19番目、佐賀県に本社を置く企業では初めてとなる。

 通関業者は、輸出入者からの委託を受けた貨物について、税関から指定を受けた保税地域内で輸出入の許可申告を行うことが必要とされている。しかし、AEOの認定通関業者になると、貨物を保税地域に搬入することなく輸出入の申告を行うことができるようになり、より簡便に貨物の輸出入手続きを進めることができる。

業界としての2024年問題への取り組み

 同社の馬渡雅敏社長は、九州トラック協会会長で、全日本トラック協会の副会長も務める。トラック協会は、2024年問題として懸念されている物流の担い手不足等の問題について意見発信を行っている。本件問題への取り組みについて、馬渡氏は次のように語った。

 「人手不足の影響は、確実に物流業界に現れている。とくに車両台数が少ない中小の運送事業者は厳しい状況に置かれている。問題の解決にあたっては、担い手としての物流業界だけでなく、利用者である荷主の負担増への理解も必要となる。ここにきて少しずつ世間的な認知も広まってきた。しかし、現状の物流システムのままでは、物量の需要をカバーしきれなくなることは明らかだ。この問題を解決するために、荷主と物流業者との連携による効率的な貨物輸送の仕組みの構築など、取り組みを進めていきたい」。

【寺村朋輝】

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