【次期衆院選】立憲・野田議員秘書、森上氏の旧統一教会との関係
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次期衆院選で、元福津市議会議員で野田国義参議院議員(立憲民主党)の秘書を務める森上晋平氏が福岡7区から立候補すると、先月末に一部メディアが報じたが、公認申請を取り下げるという。森上氏が市議を務めていた福津市議会などの反応を聞いた。
■議会では噂となっていた
取材をはじめると、早速、次のような反応がかえってきた。「旧統一教会との関係が噂になっていたのに大丈夫なのか?」というものだ。
やはり現地に行って話を聞く必要があるということで、5日午前、福津市へ向かった。6月議会の開会日ということで、議長や市議も議会にきているという。道中、以前森上氏と会派を同じくしていた市議会議長に挨拶のショートメールを入れた。
議会事務局に趣旨を説明し、午後に議長への面談をお願いした。午前9時半から行われていた議会も昼過ぎに終わり、ある会派のA議員から話を聞いたところ、森上氏から「次は選挙に出ないと挨拶のメールが送られてきた」、「ほかの議員にも送られていただろう」という。
福津市では教育長の人事などをめぐって原崎智仁市長と議会の大勢が対立している。昨年4月から1年以上教育長が決まらず、教育委員が職務代理者となり、実務面は教育部長が対応する異常事態が続いている。
森上氏はどうだったのだろうか。A議員によると「森上さんは2021年の市長選で元総務部長の永島さんを応援して、SNSを活用して市長批判を繰り広げていた」という。
旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係については「うちの議会の少なくない議員が、教団との関係を噂ではあるが聞いていた」と述べ、「選挙のときに応援した人たちのなかにそうした関係者がいたらしいと耳にした」と語ったうえで、「統一教会は、問題だ」と指摘した。
A議員は、「直接見たわけではない」と断定的な言い方は避けたものの、森上氏と教団との関係が同僚議員にも知られた話であったことをうかがい知ることができた。
立憲民主党の支持団体は連合であり、主に公務員労組が中心だ。そこで、地元の福津市職員労働組合関係者に話を聞いたところ、困惑している様子だった。
■教団が支援の参議院候補と写真撮影
手元に19年に発行された「福津市版 地域元気NEWS」というチラシがある。森上氏と、当時自民党の全国比例区の参議院議員だった北村経夫氏が一緒に映っており「国と地域が協力して実現を目指します」とある。
北村氏は現在、山口県選出の参議院議員だが、元産経新聞政治部長や九州・山口本部副本部長(執行役員)などを務め、13、19年の参議院選挙において教団の支援を受けていたことが明らかになっている。
北村氏と教団の関係は、ジャーナリストの鈴木エイト氏が詳しいが、記者は13年の参院選において、福岡市内にあった北村氏の選挙事務所で手伝いをしていた。
そこで、教団の関連団体から派遣された信者とみられる人物の存在や、教団側が北村氏に福岡や久留米の教団施設での講演を依頼した資料などを目の当たりにしており、安倍晋三元首相の事件後、NHKやテレビ朝日、TBSなどで証言した経緯がある。
教団が19年4月7日、福津市の隣の宗像市で青年信者向けに開いた「ファミリーパワーフェスティバル青年3000名大会」に、北村氏は地元選出の宮内秀樹衆議院議員(自民党)らとともに来賓として出席している。
隣の県のよしみで北村氏を応援した地方議員は少なくないが、森上氏は教団と接点があったからこそ北村氏と写真を撮影し、チラシを制作したのではないかとの疑いが出てくる。
噂話は人づてに自然と伝わるもので、福津市議会以外でも同様の話が聞かれた。福岡都市圏在住のある政治活動家は「宗像や福津では有名な話だった」と述べ、「宗像市議会には教団の平和大使に任命された議員もいた」という。
宗像市議会は22年11月に全議員19人と教団との接点を調査し、うち3人がなんらかの接点があったことを確認し、公表している。
森上氏が市議在任中、教団の関連団体「九州平和大使協議会」が主催するセミナーに参加していたことは以前紹介したが、21年に開催された当該セミナーはコロナ禍ということもあり、オンライン形式で開催されている。森上氏のほか、現職の福岡県議会議員や九州地域の教団の責任者らが参加していた。
かつて森上氏と2年間会派を共にした高山賢二市議会議長が議会事務局長同席のもと取材に応じたが「議員でなくなって1年半も経過しており、議会としてコメントする立場にはない」とのことであった。
立憲民主党福岡県連は近く常任幹事会を開催するという。政権交代の機運も出てきたタイミングであり、国民の疑義をもたれないよう適切な対応を願いたい。
【近藤将勝】
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