ゆうちょ銀行誕生~九州の金融業界再編を検証する(3)
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ゆうちょ銀行の誕生は全国の金融機関に与える影響は大きく、『郵政民営化を考える民間金融機関の会』(7団体)は、ゆうちょ銀行の肥大化に反対する立場を表明している。
所属団体は、一般社団法人全国銀行協会、一般社団法人全国地方銀行協会、一般社団法人信託協会、一般社団法人第二地方銀行協会、一般社団法人全国信用金庫協会、一般社団法人全国信用組合中央協会、JAバンク・JFマリンバンク。それでは全国銀行協会の一員であり、九州の金融機関の中で一定の組織力を保持している九州労働金庫から検証していくことにしたい。
(1)九州労働金庫
労働金庫は全国に13金庫
・労働金庫は「ろうきん」の名で全国展開している。北海道から東北・中央・新潟・長野・静岡・北陸・東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄に13金庫がある。その系統中央機関は労働金庫連合会(本店:東京都千代田区)で、各地域の労働金庫の勘定系システムの運用サービスや余資を集め、主に有価証券などで運用している。
・15/3月末の預金残高は5兆6,735億円で、同様の協同組織系金融機関の形態をとる信用金庫の上部団体である信金中央金庫(25兆5,652億円)やJA・JFの農林中央金庫(57兆1,487億円)と比べると規模は小さい。労働金庫および労働金庫連合会に対する検査・監督については、厚生労働大臣および金融庁長官となっている。九州労働金庫の概要
設立
九州7県にそれぞれ労働金庫があったが、2001年10月1日に合併。
九州労働金庫に名称を変更。本店所在地
福岡市中央区大手門3-3-3代表者
川野和幸理事長出資金
90億78百万円(以下15/3月末現在)団体会員数
6,181会員店舗数
82ゆうちょ銀行の民営化の影響について
・九州ろうきんの預金残高は1兆7,411億円で、貸出金残高は1兆1,754億円。第二地銀トップの熊本銀行の預金は1兆2,778億円で、貸出金は1兆828億円。
九州ろうきんは預金残高で約5,000億円、貸出金は約1,000億円上回っており、九州の金融機関の中では存在感を示している。
・九州ろうきんがゆうちょ銀行の民営化による影響を直接受ける可能性は低いものと見られる。今後の課題について
・ただ問題なのは労働組合員や生活協同組合員を対象にしており、海外への工場移転などによって団体会員数や間接構成員が減少していることだ。九州ろうきんが今後生き残るためには、新たな団体会員をいかに増加させるかが大きな経営課題と言えよう。
(つづく)
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