福岡・八女市長選をめぐり地元代議士事務所「出馬を促していない」と否定
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任期満了にともなう市長選が11月に行われる福岡県八女市が、候補者の推薦をめぐり、保守分裂の状況になっていることが分かった。
八女市長選挙をめぐっては、現職の三田村統之市長が高齢などを理由に引退を表明し、現在、元経済産業省課長補佐の簑原悠太朗氏と、八女市の元副市長である松尾一秋氏が立候補の意向を表明している。
市長選まで残り3カ月となり、3つ巴の争いとなった2020年の市長選と同様に、3人目の候補者が出てくる可能性が指摘されている。さらに、市長選への対応をめぐり、ベテランの元副市長と若い元経産官僚のどちらを推すのか、市議会や各種団体を巻き込むかたちで、水面下の動きが活発化している。
4期16年にわたり八女市長を務めてきた三田村氏の市政運営に批判的な市議や市民の声がネット上などでは目立っている。加熱する市長選の状況をみて、地元の自民党八女支部や農政連では、昨年、自民党県議団と福岡県農政連の公認候補が立候補して保守系が分裂し、一部にしこりを残すかたちとなった福岡県議選の再来になることを懸念する声もあがっている。
地元選出の藤丸敏衆議院議員(自民党)の事務所は、データ・マックスの取材に対し「元官僚の方に出馬を促したなどの事実はない」と否定し「八女市をよくしたいというのであれば、誰に対しても、頑張ってくださいといいます。しかし、うちが応援しているとか、出馬を促したというデマが一部に流れています」と困惑している様子だった。
また、自民党支部の関係者は「お盆明けに、推薦を含めた方向性が話し合われるようですが、さまざまな意見があり、結論は出ていません」、「県議選の二の舞にはなりたくない」としたうえで「八女に生まれ育ち、災害などを乗り越えながら、長年、故郷に誇りをもって暮らしている人たちの、『地域をよく知る人が望ましい』との声もある」と語った。
連日、八女市内各地において簑原氏が辻立ちを行い、若い世代を中心に支持が広がっているとみられるが、急激な変化に危機感を抱く市民の声も少なからずあることは間違いない。市のトップを選ぶ市長選だからこそ、当落に影響を与えかねない政党や団体においては、慎重な対応が求められるだろう。
【近藤将勝】
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