2024年11月24日( 日 )

日本の最先端製造技術で日本は救える(4)日本の技術力で拓く未来

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株式会社スターバレー
代表取締役 星谷隆 氏

はじめに

株式会社スターバレー 代表取締役 星谷隆 氏    これまでの3回の連載を通して、日本の製造技術力の強み、さまざまな分野における革新的な取り組み、そして持続可能な社会への貢献について解説してきました。最終回となる今回は、日本の製造技術力が直面する課題とその展望について考察し、未来を担う若き技術者たちの役割、さらには日本が世界をリードし続ける可能性について深掘りしていきます。

1. 日本の製造技術力の課題と展望

課題

 日本の製造技術力は世界でも高いレベルにあり、これまで多大な貢献をはたしてきました。しかし、近年の急速なグローバル化とデジタル革命のなかで、以下のような課題が浮き彫りになっています。

  • 人材不足:少子高齢化が進行するなか、とくに技術職において深刻な人材不足が問題となっています。現場の技術を支える若手の育成が急務です。
  • イノベーションの遅れ:AIやIoT、ビッグデータ解析といった技術革新が世界中で進行しており、日本企業はこれらの技術を迅速に取り入れ、さらなるイノベーションを推進することが求められています。
  • グローバル競争の激化: 中国や韓国、インドなどの新興国が台頭し、日本企業は新たな市場環境での競争力強化が不可欠です。また、サプライチェーンの見直しや多国籍展開の必要性も高まっています。

展望

 これらの課題を克服し、日本の製造技術力をさらに発展させるためには、以下のような具体的な取り組みが重要です。

  • 人材育成とリスキリング:次世代を担う技術者の育成に加え、既存の人材に対するリスキリング(再教育)も急務です。技術の進化に対応するためのスキルアップが求められます。
  • オープンイノベーションの促進:大学や研究機関、さらにはスタートアップとの連携を強化し、オープンイノベーションを推進することで、新たな技術やビジネスモデルの開発を加速させることが必要です。
  • デジタル化の徹底:製造現場のデジタルツイン技術やスマートファクトリーの導入により、効率化と生産性の向上を図り、国際競争力を高めることが重要です。

2. 日本の未来を担う若き技術者たち

 日本の製造技術力の未来を担うのは、まさに若き技術者たちです。彼らは、最新技術に精通し、グローバルな視点をもつことで、日本の製造業を次なるステージへと引き上げる可能性を秘めています。

  • 製造業への関心の高まり:近年、日本の若者たちの間で、製造業への関心が再び高まりを見せています。政府の支援政策や企業の積極的な取り組みが、この流れを後押ししています。
  • グローバルな人材育成:海外での研修プログラムや国際的なプロジェクトへの参加を通じて、若い技術者たちは国際競争力を持つ人材へと成長しています。

3. 日本の技術力:世界をリードする存在へ

 日本の製造技術力は、これまで通り世界トップレベルであり続けることが期待されています。しかし、それだけでなく、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献や、環境に優しい技術開発を通じて、さらにその地位を高めることが求められます。

  • 持続可能な技術開発:カーボンニュートラル技術やリサイクル技術など、環境に配慮した製造技術の開発が、日本の製造業の未来を形づくるカギとなります。
  • グローバルリーダーシップの強化:日本の技術力を基盤に、国際標準化活動や技術移転を通じて、世界市場におけるリーダーシップをさらに強化していく必要があります。

4. まとめ

 日本の製造技術力は、これからも世界経済に大きく貢献していくことが期待されます。しかし、直面する課題を克服するためには、人材育成、イノベーションの推進、そしてデジタル化が不可欠です。未来を担う若き技術者たちは、これらの取り組みを推進し、世界をリードする存在へと日本を導いていくことが望まれます。

 連載全体を通して、日本の製造技術力の強みと将来展望を明確に示し、読者に日本の製造技術力の重要性を理解してもらうことを願っております。また、読者の皆さまにとって一助となれば幸いです。

(了)

 物づくりでのご相談・ご依頼・ご紹介等ございましたらお気軽にお問い合わせください。


<プロフィール>
星谷隆
(ほしや・たかし)
(株)スターバレー代表取締役。製造業の技術営業に17年携わった後、2013年に独立。産業機器の部品、医療機器の試作品の部品、⾃動⾞の部品、宇宙航空品の試作部品の製造などを行う。

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