いよいよ施行のフリーランス新法
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本誌68号(2024年1月末発刊)において、フリーランスの取引の適正化等を図るための法律である「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス新法)の概要をご紹介しておりました。同法が今年11月から施行されておりますので、改めてフリーランス新法について解説いたします。
フリーランスは取引上、弱い立場に置かれやすい特性があります。この法律はフリーランスが安心して働ける環境を整備するため、次のことを目的としています。
①フリーランスと企業などの発注事業者の間の取引の適正化
②フリーランスの就業環境の整備を図ることこの法律は、フリーランスのうち「業務委託の相手方である事業者で、従業員を使用しないもの」を「特定受託事業者」として、発注事業者から「特定受託事業者」への業務委託契約が対象になります。
そのため、一般用語としてのフリーランスのなかには、従業員を雇用している方や、消費者向けに取引をしている方もおられるかもしれませんが、この法律は、受託事業者が従業員を雇用している場合や消費者相手の取引には適用されません。
この法律は、次の①~⑦について定めており、Ⅰ「従業員を使用していない発注事業者」には①が、Ⅱ「従業員を使用している発注事業者」には①~④が、Ⅲ「Ⅱの事業者について、一定期間以上行う業務委託の場合」には①~⑦が義務となります。
①書面などによる取引条件の明示
②報酬支払期日の設定・期日内の支払
③募集情報の的確表示
④ハラスメント対策に係る体制整備
⑤次の行為の禁止
●受領拒否 ●報酬の減額 ●返品
●買いたたき ●購入・利用強制
●不当な経済上の利益の提供要請
●不当な給付内容の変更・やり直し
⑥育児介護などと業務の両立に対する配慮
⑦中途解除等の事前予告・理由開示①は、委託事業者がフリーランスに業務委託する場合、書面などにより委託する業務の内容、報酬の額、支払期日等の取引条件を明示することです。フリーランスがフリーランスに業務委託する場合にも、適用されます。
②は、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で、報酬の支払期日を設定し、それまでに支払わなければいけません。当事者間で支払期日を定めなかったときは、物品等を実際に受領した日が支払期日になります。
さらに、1カ月以上の業務委託(継続的業務委託)の場合、⑤記載の7つの行為が禁止されます。公正取引委員会がフリーランス法特設サイトを開設し、わかりやすい動画なども掲載していますので、1度ご確認ください。
<INFORMATION>
岡本綜合法律事務所
所在地:福岡市中央区天神3-3-5 天神大産ビル6F
TEL:092-718-1580
URL: https://okamoto-law.com/
<プロフィール>
岡本成史(おかもと・しげふみ)
弁護士・税理士
岡本綜合法律事務所 代表
1971年生まれ。京都大学法学部卒。97年弁護士登録。大阪の法律事務所で弁護士活動をスタートさせ、2006年に岡本綜合法律事務所を開所。経営革新等支援機関、(一社)相続診断協会パートナー事務所/宅地建物取引士、家族信託専門士。ケア・イノベーション事業協同組合理事。月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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