2024年12月11日( 水 )

自然とつながる「キャンプな家。」(4)

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我が子に火を使わせる(つづき)

『キャンプな家。』
~“身体性を感じられる” つながりの間取り~

提案 『キャンプな家。』~身体性を感じられるつながりの間取り~
提案 『キャンプな家。』~身体性を感じられるつながりの間取り~

①玄関は土間、このお家はこのまま半分以上が土間続きです。

②玄関横のこの場所は収納スペース。日ごろ使わない物などを倉庫代わりにストックしておく便利な納戸使いとして。

③エントランスと居住スペースを分けるところに、カーテンなどで目隠し。扉をつけない気軽さも、このお家の自由さを感じさせる。

④キャンプスペースと題した「リビング」。中央には天井から下がったハンモック。広いワンルームに壁はなく、意識や用途で空間を仕切る。それぞれの佇まいを肌で感じられる家族共有の大空間。

⑤テントは常備設営。なかはクッションや枕や布団でくつろぎの空間。子どもの秘密基地として。たまり場として、キッズスペースとしても重宝しそう。

⑥緑色の植物たち。家中がグリーン色に映えて、まるでジャングルのように。観葉植物に囲まれたすがすがしい空間。ただし、猫との同居であれば飾り方は「ハンギング」がいいかも。葉が垂れ下がるタイプを壁際に装えば、見た目にも楽しい。

⑦移動式のテレビが空間を動き回る。どこでも自由に運べるテレビは固定位置を生まないので、ライフスタイルの多様性を邪魔しない。

⑧広めで低めのダイニングテーブルで、キャンプ飯も楽しみたい。カセットコンロで焼き物や炒め物、火を使った料理は扱いも注意しながら。コンクリートの床の上に道具を広げて、床やテーブル共々ガシガシとタフに使っていきたい。

⑨ここで靴を脱ぐ居住ライン。横に長いので5~6人でも同時に並べる。靴もスリッパもここでまとめて整列。

⑩掃除用の大型の流し(スロップシンク)は、汚れた靴や雑巾、モップ、キャンプ道具など、洗面台やキッチンシンクで洗うのに少し気が引けるものを洗うのに便利。長めのホースを引っ張って植物に水やり、多少の水落ちでも気にしない。サッとふき取って、土間の強さを享受したい。ただし、周囲への水漏れには十分ご注意を。

⑪キッチンはアイランド型。周囲にぐるっと人が集まれるオープンタイプで。日常のなかでの調理も、キャンプを彷彿とさせるようなワイルドな食事を。つくりながら、会話を交わしながら、食べながら…。

⑫キッチン後ろのスペースはベッドスペース。2段ベッドで子どもも大人も旅行気分。2段ベッドが2カ所に分けられているので、4人家族でも快適に過ごせる。

⑬ランドリールームで洗濯動線の集約を。回して、干して、乾かして、たたんで。ときにはスチームアイロンでしわ伸ばし。リビングにロープを張って、子どもと一緒に「ざっくり干し」。広くとれる空間ならではの活用も有意義だ。

⑭リビングに大きな間仕切り壁でスクリーンを出現。プロジェクターの投影で映画も動画もみんなでワイワイ。スポーツ観戦もアウトドア気分で盛り上がりそう(ただし、近隣への音の配慮は忘れずに)。

⑮壁に囲まれたスタディールーム。勉強やデスクワークなど、集中したいときはこのエリアを使う。子どもにとって、集中度を切り替えられる場所の移動は、重要なアクションの1つになる。

⑯家族4人分のロッカーを1カ所に集中。収納時も着替え時も、朝はここから始まる。

⑰キャットタワーからキャットウォークへ。猫の遊び場は空間のちょっとしたディスプレイ。天井付近で静かに家族を見守る愛猫たち。生き物と一緒に暮らすのは子どもにとって大きな経験になる。

(了)


松岡 秀樹 氏<プロフィール>
松岡秀樹
(まつおか・ひでき)
インテリアデザイナー/ディレクター
1978年、山口県生まれ。大学の建築学科を卒業後、店舗設計・商品開発・ブランディングを通して商業デザインを学ぶ。大手内装設計施工会社で全国の商業施設の店舗デザインを手がけ、現在は住空間デザインを中心に福岡市で活動中。メインテーマは「教育」「デザイン」「ビジネス」。21年12月には丹青社が主催する「次世代アイデアコンテスト2021」で最優秀賞を受賞した。

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