自転車用ヘルメットの安全性で不当表示 クロマチック・フーガなど3社に措置命令
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自転車用ヘルメットの安全性についてEU基準を満たしていないのにもかかわらず、「CE認証済み」とうたい販売したとして、消費者庁は12月12日、インターネット通販を行う(株)クロマチック・フーガ(福岡県太宰府市)など3社に対し、景品表示法違反により、再発防止などを求める措置命令を出したと発表した。
景表法に違反する不当表示を行っていたのは、同社のほか、蔵前製薬(株)(東京都目黒区)、インフィニティ(株)(東京都豊島区)。「蔵前製薬はインフィニティの100%子会社で、共同して商品の仕入れや販売を行っていた」(表示対策課)という。
クロマチック・フーガはECモール「楽天市場」に開設したサイト「雑貨の国のアリス」で、ハット型帽子のなかにインナープロテクターを組み込んだ3商品を販売していた。
その際に、「CE認証済み CEマークとは商品が全てのEU加盟国の基準を満たすものに付けられる基準適合マークです」と表示。また、昨年4月1日から道路交通法の改正によって、自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となったと説明しつつ、「でも、従来のヘルメットをかぶるのは恥ずかしい…」「そんなあなたへ この自転車ヘルメットをおススメします!!」と広告していた。
蔵前製薬とインフィニティは「楽天市場」に開設したサイト「arianna」で、キャップ型帽子のヘルメット1商品を展開。この2社も同様の広告を行っていた。
事実と異なる「CE認証済み」の表示
今回、景表法違反に問われたのは「CE認証済み」という内容。自転車用ヘルメットの安全性を示すマークとして、代表的なものに「SGマーク」「JCF公認/推奨マーク」などがあり、「CEマーク」もその1つ。これはEUの法令に基づく安全規格を満たした製品であることを示すマークで、事業者が自ら評価してマークを付けることができる。
消費者庁によると、(1)ヘルメットの内側全面に衝撃吸収層が付いていない、(2)あご紐の幅が15mm未満のものなど、(3)あご紐がヘルメットに確実に取り付けられていない、(4)ヘルメット着用時に視野が隠れる──のうち1つでも該当した場合には、自転車用ヘルメットの安全基準・規格を満たさないことになる。3社が販売した4商品は、これらの基準・規格に適合していなかった。
このため、消費者庁は3社の表示が景表法で禁止する優良誤認表示に該当すると判断。3社に対し、表示が景表法に違反する旨の一般消費者への周知、再発防止策の構築などを命じた。
消費者庁では一般消費者に向けて、自転車の利用時には作業用ヘルメットではなく、自転車用ヘルメットに関する安全性を示すマークのある製品を選ぶようにアドバイス。インターネット通販で購入する場合には、不具合が生じたときのために、国内の問い合わせ先が表示されている製品を選ぶように呼びかけている。
一方、事業者に対しては、安全に関する表示を偽ることは消費者を裏切る行為であり、決して許容されないと警鐘を鳴らしている。
【木村祐作】
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