2024年12月23日( 月 )

九州地銀の15/9月期(中間)決算を検証する(4)

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 ゆうちょ銀行の攻勢を受けて九州地銀の来年3月末の預金残高、更に約1年後の預金残高は今後どのように推移するのだろうか。そういった面から見ると、この15年9月末の九州地銀(18行)の預金残高は、ゆうちょ銀行の貯金残高と比較する上で大きな意味を持つと言っても過言ではないのかもしれない。
 これから九州地銀(18行)の15年9月期の決算を検証していくことにしたい。

◆預金残高について
 預金残高順位表【表1】を見て頂きたい。

この表から見えるもの

・第1位は福岡銀行で9兆1,795億円。後に続く西日本シティ銀行とは1兆5,800億円の差があり、不動の地位を占めている。
・第2位の西日本シティ銀行は7兆5,994億円。前年比3,228億円の増加。10月1日に経営統合した九州FG(肥後・鹿児島)の預金残高7兆7,337億円(前年比2,390億円増)には1,343億円及ばないものの、来年3月末には逆転も可能な状況になっている。
・第3位、第4は九州FG傘下の肥後銀行と鹿児島銀行だが、伸び率から見ると鹿児島銀行に勢いがあるようだ。
・第5位の大分銀行は2兆7,184億円だが、前年比570億円 (2.1%増) の増加に留まっており、上位地銀のなかでは低迷しているのがわかる。
・第7位は宮崎銀行の2兆2,348億円。親和銀行の2兆2,305億円を追い抜いて躍進しているが、その差はわずか43億円しかなく、親和銀行の巻き返しがあるかどうかが見ものと言えよう。
・第8位の親和銀行、第10位の熊本銀行はいずれもふくおかFG傘下の銀行だが、この2行だけが前年比マイナスとなっている点が気にかかる。この両行の16年3月末の預金残高に目が離せない状況だ。
・第11位は新設から4年経過した北九州銀行の9,448億円(前年比828億円増)。第12位の南日本銀行7,084億円で、以下筑邦銀行6,636億円、宮崎太陽銀行6,051億円と続く。

ゆうちょ銀行の攻勢は第二地銀にとって深刻

・気になるのは第15位以下の銀行だ。豊和銀行の前年増加額は68億円しかなく、以下福岡中央銀行25億円、長崎銀行20億円、佐賀共栄銀行38億円。増加額がわずか二ケタ台に留まっているからだ。
 ゆうちょ銀行の民営化に伴う攻勢は、この4行を含む第二地銀にとって深刻な経営問題となっており、経営統合を含めた抜本的な改革を迫られていると言えそうだ。

(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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