悠悠ホーム、積水ハウスの「共同建築事業」に参画
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福岡県の地場有力ハウスビルダー・悠悠ホーム(株)(本社:福岡県大野城市、内山賢一代表)が、積水ハウス(株)(大阪市北区、仲井嘉浩代表)が展開している共同建築事業「SI(エス・アイ)事業」の九州初のパートナー企業となり、今月から事業をスタートすることがわかった。
積水ハウスが8日明らかにしたもので、悠悠ホーム以外に、(株)土屋ホーム(札幌市、山川浩司代表)、(株)トータテハウジング(広島市、川西亮平)の2社も新たに参画。SI事業のパートナー企業はこれにより全8社となり、東北から九州までをカバーする体制となった。積水ハウスでは、SI事業について2029年度までに年間1,000棟を目標としている。
悠悠ホームの内山代表は、「SI事業に参入することで、さらなる安心・安全をお届けいたします。お客様と積水ハウスと当社が三位一体となって新たな住宅の価値を創造できることに、期待と喜びを感じています」とコメントしている。なお、同社は「家族の健康を守る家づくり」を理念に独自に研究・開発した住まいを提供し、福岡・熊本・佐賀の各県で累積着工棟が5,000棟超に達している。
解説
SI事業は23年9月にスタート。積水ハウスがパートナー企業へ同社の木造住宅ブランド「シャーウッド」で培ってきた独自の耐震技術を導入した構造躯体(S:スケルトン)を提供。基礎工事を含む躯体施工は、グループの「積水ハウス建設」(全国8社)が担当するものだ。一方、内外装(I:インフィル)に関しては、パートナー企業がそれぞれの強みや特徴を生かして施工し、独自に販売する仕組みとなっている。
25年4月から住宅の省エネ化の強化、それにともなう建築物の重量増加による安全性確保のため、 建築基準法の改正「4号特例の縮小(構造規定等の審査が省略可能な木造建築物規模の引き下げ)」が予定されている。パートナー企業は、全棟について許容応力度設計による構造計算の提供を積水ハウスから受けられることで、作業負担軽減につなげられる。
また、住宅を含む建設業界では大工や職人などの就労者の不足、高齢化がより一層深刻化するものと見られる。少なくとも、建て方の部分での負担を減らせることは、パートナー企業にとって魅力的に感じられるはずである。なお、積水ハウスはシャーウッドの核心素材「ベルバーン外壁」については外販しておらず、そのため営業エリアがSI事業のパートナー企業と重複しても差別化に影響しないと考えているようだ。
住宅業界は今、少子化にともなう顧客の減少に加え、原料・資材や土地価格の上昇、住宅ローン金利の上昇傾向、そして施工就労者不足といった、これまでにない厳しい環境に陥っている。先々の改善が見通しづらい状況にあることから、M&Aなどによる業界再編の動きが活発化し始めている。
今回の動きは、業界のトップブランドの1つ・積水ハウスと、これまでその競合相手であった地域有力ハウスビルダーがタッグを組み、協業するという、これまでにあり得なかった生き残り策が進行しているということであり、協業の成果の行方が大変注目される。
【田中直輝】
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