日産とホンダ、協議打ち切りへ 鴻海の動きが焦点に
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日産自動車はホンダと進めてきた経営統合協議を打ち切る方針を固めた。両社は昨年12月に協議入りを発表し、今年6月の統合契約締結、8月の持株会社設立を目指すとしていたが、短期間のうちに撤回されることとなった。
日産が経営統合を図る背景には業績不振がある。2025年3月期第2四半期の連結決算では、営業利益が前年同期比90.2%減、当期純利益が同93.5%減となるなど、業績が長年低迷している。世界の自動車市場のEVシフトへの適応が遅れ、主力の北米・中国市場で競争力を失っている。ホンダは、日産が迅速かつ大胆にリストラを進めることを求めていたが、日産が示した工場閉鎖無し、9,000人のリストラ案はホンダから見て不十分であり、緊張感と意思決定のスピード感に欠けると感じられるものであった。両社の業績、時価総額から見て、ホンダが経営統合後に社長など取締役のポストなどにおいて主導権を握るものと見られていたが、ホンダはより力強く合理化を進めたいと考え、日産の子会社化を打診。これが対等な立場を譲らない日産との間に大きな溝を生んだようだ。迅速な意思決定と行動を求めるホンダと、縦割り組織の色合いが強い日産とでは社風が大きく異なっている。こうした違いが統合の障壁となった。
両社の統合協議は打ち切られたが、今後はEV事業など一部の分野で協力を模索する可能性はある。EV開発競争が激化するなかで、単独で生き延びるのが難しいのはホンダも同様であり、技術の共有や共同開発など一定の提携が図られる可能性は残されている。
日産は再び外資の傘下に入る可能性がある。ホンダとの協議入りの前、台湾の電子機器受託生産大手の鴻海(ホンハイ)が自動車産業への関与を深めようと、日産株を保有するルノーに接近する動きを見せていた。ホンダとの協議打ち切りにより、鴻海が攻勢を強める可能性があり、台湾メディアは日本の関連報道を引用しつつ、鴻海の動向が今後の焦点になると指摘している。
【茅野雅弘】
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