東急エージェンシー、契約辞退で競争入札参加停止処分2カ月 福岡市

 6日、福岡市は (株)東急エージェンシーに対し、競争入札への参加を2カ月間停止する措置を講じた。停止期間は5日から5月4日まで。同社が入札金額の誤りを理由に契約を辞退し、契約違反と認定されたことが処分の背景にある。

 対象となったのは、福岡市経済観光文化局ボートレース事業部経営企画課が発注した「フクオカ・バスビジョン広告」の案件。同案件は2月25日に指名競争入札が行われ、東急エージェンシーが落札業者として決定していた。決定金額は283万300円(税込)だった。

 しかし、同社は入札金額の誤りを理由に契約辞退を申し出たため、契約締結には至らなかった。この行為が「正当な理由なく契約を締結しない」ケースに該当すると判断され、福岡市競争入札参加停止等措置要領に基づき、競争入札への参加停止処分が下された。

 福岡市では、競争入札の公正性を確保する観点から、契約違反に該当する行為を行った業者に対し、一定期間の入札参加停止措置を取ることが定められている。

 東急エージェンシーは、東京都港区に本社を置く広告代理店で、広告宣伝、催事・展示の企画設営、看板・標識の制作などを事業内容としている。今回の処分により、今後2カ月間は福岡市が発注する競争入札への参加が認められない。

 同市の契約監理を担当する財政局財政部契約監理課は「今回のケースは契約違反に該当するものであり、適切な措置を講じた」としている。入札制度の信頼性を確保するためにも、今後も厳格な運用を継続する方針だ。

 一方で、契約辞退の経緯や詳細について、東急エージェンシー側からの公式なコメントは現時点では発表されていない。

【寺村朋輝】

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