【5/11まで】福岡城、潮見櫓特別公開 古材をいかした復元の美
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福岡城の潮見櫓の復元工事が完了して、現在、特別公開が行われている。
城の外(北)側からみた潮見櫓 潮見櫓は福岡城の三ノ丸北西に築かれた櫓で、高さ10m程度だが、7m程度の土塁と石垣の上に建つため、侍屋敷や町屋を越えて博多湾をのぞむことができたと思われる。
福岡城は黒田家が退去した明治期以降、陸軍の駐屯地として利用されたことなどにより江戸期の建造物が徹底的に破壊されたが、潮見櫓は1908年に花見櫓とともに崇福寺に移築されたため難を逃れた。崇福寺では仏殿として利用されていたが、91年の調査時に、屋根裏から由緒を書いた棟札が発見され、福岡城の潮見櫓であったことが分かった。
城内(南東)からみた潮見櫓 今回の復元事業に際しては、建物の基礎部分は鉄筋コンクリートを土台とし安全性を確保したうえで、建物そのものは歴史的な建築工法によって復元されている。柱や梁、屋根瓦は可能な限り古材を利用し、その利用率はおよそ40%だ。
見どころ
古材の梁と新材、漆喰
古材の梁は松だという。古材と新材がお互いに支え合い、そこに漆喰の壁面があわさった調和が美しい。石落とし
北西隅の石落としもしっかり復元されているが、防御効果としていかほど貢献するかは不明だ。ただ、掃除はしやすかろう。
(ちなみに案内係の方はちゃんと塵取りを使っていたことを付言しておく。)急な階段
これは守りやすそうだが、具足でこの階段を上がるのは大変だろう。人によっては古い実家もこんな階段だったと懐かしく思うのでは。また、二階の屋根裏には古い棟札と新しい棟札が並び立っている。【寺村朋輝】
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