NIPPOと鹿島道路を九地整が指名停止処分 再生骨材混入でアスファルト不正納入

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

 11日、国土交通省九州地方整備局は(株)NIPPO(東京都中央区)と鹿島道路(株)(東京都文京区)に対し、それぞれ指名停止処分を行った。処分期間は、NIPPOが同日から7月18日までの10週間+1カ月、鹿島道路が8月10日までの4カ月間。いずれも九州地方整備局管内での指名停止となる。

 処分の理由はいずれも、アスファルト舗装工事における契約違反および不正行為によるもので、新規骨材の使用が契約で明示されていたにもかかわらず、再生骨材を含むアスファルト合材を発注者に無断で使用・出荷していた。

 NIPPOは、東北・関東・北陸・中部・近畿・中国の各地方整備局および東京航空局が発注した複数の工事において、本来指定された「新規骨材によるアスファルト合材(新規アスファルト合材)」の代わりに「再生骨材を含むアスファルト合材(再生アスファルト合材)」を使用して施工。さらに、同社と密接な関係を持つ系列プラントが、再生アスファルト合材を「新規」と偽って出荷していたことが国交省の調査で明らかとなった。

 同社は、系列プラントからの報告により混入の可能性を認識できた状況にあったにもかかわらず、防止措置を講じず、結果回避義務を怠ったとして、指名停止の対象となった。

 一方、鹿島道路も、佐賀国道事務所および北九州国道事務所が発注した合計16件の工事において、同様に契約書上で明示された「新規アスファルト合材」の仕様を無視し、再生アスファルト合材を使用。しかも、自社の合材製造所長らはその事実を認識しながら、出荷伝票には「新規」と記載するなど、組織的な不正があったと見なされた。

 また、鹿島道路については、過失による粗雑工事も指摘されており、二重の理由で処分が下された。

【寺村朋輝】

関連キーワード

関連記事