福岡市、メタバースや生成AI活用の事業支援を開始 最大100万円

 福岡市は、メタバースや生成AI、XRなどの未来技術を活用した事業に挑戦する市内のクリエイティブ企業に対し、費用の一部を支援する制度「未来技術活用によるコンテンツ創出支援金」を創設し、4月21日から申請受付を開始した。新技術を活用した斬新なビジネスの創出を後押しすることで、地域発のコンテンツ産業の競争力を高める狙いがある。

 対象となるのは、映像(3DCGを含む)、ゲーム、音楽、ファッション、デザインを主要事業とする福岡市内のクリエイティブ企業。支援金は、メタバースや生成AI、XRといった先端技術を用いた新規事業の企画・開発、運用保守、広報活動などにかかる費用を対象とし、その2分の1を補助する。上限額は100万円。申請期間は4月21日~5月30日まで。

 支援対象となる「未来技術」には、インターネット上に構築された仮想空間である「メタバース」、テキストや画像などを生成する「生成AI」、そしてVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などを含む「XR技術」が含まれる。これらの技術を用いてビジネスの拡大を目指す新規プロジェクトが助成の対象となる。

 福岡市では近年、「クリエイティブ・ラボ・フクオカ」を通じて、地場コンテンツ産業の振興を推進してきた。今回の制度もその一環であり、AIやメタバースといった新領域でのビジネスチャンスをつかむための後押しとなる。

 コンテンツ業界では、生成AIによる画像・映像の自動生成や、メタバース空間でのライブイベントや商取引などが急速に広がっており、スタートアップや中小企業にとっても新しい市場の開拓が期待されている。一方で、こうした先端技術への初期投資や開発費用は企業にとって大きな負担となることから、支援のニーズは高い。

 福岡市は、今回の取り組みによって「創造的な挑戦を支える環境」を整備し、地域発の革新的コンテンツを全国・海外市場へ展開する企業を育てることを目指す。申請や詳細については、市の公式ウェブサイトで公開されている。 

未来技術活用によるコンテンツ創出支援金について

【寺村朋輝】

法人名

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