JR九州・青柳社長「上場へ向けて非鉄道分野を拡大」
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九州旅客鉄道(株)(本社:福岡市)の青柳俊彦代表取締役社長は12月2日、福岡商工会議所で行われた講演のなかで、2016年の株式上場に向けて、JR九州グループにおける非鉄道分野の事業の割合を拡大していく考えを語った。
JRJP博多ビルも順調
講演のなかで青柳社長は、民営化(同社設立)当初の1987年度、事業の割合が鉄道81.8%、非鉄道18.2%であったが、2014年度では鉄道40.6%、非鉄道59.4%になっていると説明。「他のJRグループでは、非鉄道事業が50%を超えている会社はないが、関西や関東の大手民鉄会社に比べると、まだまだ比率が低い。上場に向けて非鉄道事業の割合をさらに上げていく」などと語った。
JR九州グループは現在、運輸サービス6社、建設6社、駅ビル6社、流通・外食7社、観光レジャー3社、ビジネスサービス7社、そして九州旅客鉄道の「35+1」の構成となっている。「九州を元気に!」と題して行われた今回の講演で青柳社長は、15年3月27日に来場者が2億人を超えた博多駅ビル「JR博多シティ」や、同年4月16日のオープンから6カ月で来場者1,465万人を超えた大分駅ビル「JRおおいたシティ」を紹介。17年春に完成予定の「JRJP博多ビル」のオフィステナントも、順調に入居が決まっていると好調な様子を語った。「ななつ星の強力な武器は地元の皆さん」
非鉄道分野を拡大すると言いつつも、やはり大幹は鉄道事業。青柳社長は、「ゆふいんの森」号や「指宿のたまて箱」号などのD&S(デザイン&ストーリー)列車や、人気アーティストDREAMS COME TRUEとタイアップし、新幹線のなかでライブを行った「ドリカム新幹線」など、九州のPRにもつながった取り組みを紹介。一方、農業分野への進出については、休耕田や間伐から在来線の風景を守る目的があることを語った
また、D&S列車やその集大成と位置付ける豪華寝台列車「ななつ星in九州」では、「ななつ星の強力な武器は地元の皆さん」と、列車の送迎などで地元の自治体や地域の人々の協力が成功に結びついていると述べ、青柳社長は感謝の意を示した。正式名称に「in九州」と加えたのは、「ななつ星」と合わせて「九州」を世界に発信するため。鉄道を軸にした企業グループとして、今後も地元・九州の活性化への貢献が期待される。【山下 康太】
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