高市早苗氏が自民党総裁に選出され、臨時国会での首班指名をめぐってさまざまな駆け引きが繰り広げられている。一方、連合(日本労働組合総連合会)は、支援している国民民主党が自民・公明両党との連立政権入りする動きに対し、牽制を強めている。
連合は7日から開催していた定期大会で、芳野友子氏が3期目も続投することを決定した。芳野氏は、出身組合が中道保守寄りの旧同盟系労組であり、麻生太郎自民党副総裁など自民党サイドともパイプをもつ。
しかし、8日の記者会見で芳野氏は、国民の連立入りについて「容認できないスタンスに変わりはない」と改めて反対を表明した。
国民民主党が政策の相違などを理由に立憲民主党と距離を置く姿勢は、連合にとって不安の種となっている。7日の大会に出席した国民の玉木雄一郎代表は「ご心配いただかなくて結構」と挨拶で述べたが、それでも芳野会長が重ねてくぎを刺すのは、自民党内の連立拡大の動きが、日本維新の会から、国民民主党へとシフトしたとみられるためだ。
維新に近かったのは、小泉進次郎氏の後見人である菅義偉元首相らである。高市氏が総裁選で勝利した際の立役者・麻生氏は、岸田政権のころから国民との連立を模索してきた。
連合は右から左まで政治的に幅のある労働組合が、反共産党・非自民党で結集した経緯がある。しかし現実には、民間労組だけでなく、一部の公務員労組の組合員にも自民を支持する人々がいる。第2次安倍政権発足時には、福岡の民間労組のなかにもアベノミクスを評価する声があった。
連合の分裂や野党勢力の切り崩しという事態を、芳野氏をはじめ連合幹部は恐れている。一方で、自民・公明両党の連立協議も暗礁に乗り上げており、自民と国民の政策協力が進むかどうか予断を許さないだろう。
【近藤将勝】
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