福岡ソフトバンクホークス、5年ぶり日本一 阪神を4勝1敗で下し常勝復活へ

小久保監督、就任2年目で初の頂点

 「SMBC日本シリーズ2025」は、パ・リーグ王者の福岡ソフトバンクホークスがセ・リーグ覇者・阪神タイガースを4勝1敗で下し、5年ぶり12度目の日本一に輝いた。小久保裕紀監督(54)は就任2年目で初の日本一を達成し、常勝軍団復活を印象づけた。

第5戦は劇的決着

 25年の日本シリーズは、初戦を本拠地・みずほPayPayドーム福岡で落としたホークスが第2戦以降、4連勝。地力と経験を生かして流れを引き寄せた。迎えた第5戦は10月30日、阪神甲子園球場で行われ、8回に柳田悠岐が石井大智から同点2ランを放って試合を振り出しに戻し、延長11回に野村勇の決勝ソロで勝利した。石井は今季通算56試合連続無失点というNPB記録を更新していたが、この一発で209日ぶりの失点となった。最後は松本裕樹が締め、3対2で試合を制した。

山川MVP、阪神も若手躍動

 今シーズンのホークスは、主軸の離脱が相次ぐなかでも若手が台頭し、層の厚さを見せた。山川穂高はシリーズで3試合連続本塁打を放ってMVPを獲得し、柳田や近藤健介も要所で勝負強さを発揮。投手陣も安定し、終盤での粘りがチームを支えた。前年、DeNAに敗れ、涙をのんだ悔しさを糧に、再び頂点をつかみ取った。

 一方の阪神はNPB史上最速でリーグ優勝をはたした。日本シリーズでは、村上頌樹や大竹耕太郎を中心にした先発陣が奮闘し、守備面でも高水準を維持。近本光司がシリーズ10試合連続安打の球団新記録を樹立し、佐藤輝明や森下翔太ら若手も存在感を示した。しかし、あと一本が出ず、終盤の競り合いでわずかにおよばなかった。

完成度の高い攻防

 2025年の日本シリーズは、両軍の完成度の高さがぶつかり合う緊迫した展開となった。ホークスは攻守の総合力と勝負勘で阪神を上回り、再び球界の頂点に立った。惜敗した阪神も、若手主体の戦力で得た経験を糧に、来季へ手応えを残すシリーズとなった。

【和田佳子】

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