久留米商工会議所・臨時議員総会で喜多村氏を新会頭に選出

 福岡県・久留米商工会議所は、役員の任期満了に伴う臨時議員総会を4日に開催し、喜多村石油(株)代表取締役社長・喜多村浩司氏を新会頭に選出した。喜多村氏は2016年11月から23年10月まで副会頭を務めていた。

 喜多村氏は今回の会頭選において、現職の本村康人・(株)久留米業務サービス代表取締役との戦いを制した。久留米商工会議所の会員企業は4,300を超える。総会には委任状を含む会員企業が出席。100社による投票が行われ、1回目で喜多村氏が過半数を超える61票を獲得した。

 喜多村氏は久留米市出身。1985年に喜多村石油に入社。96年に代表取締役社長に就任。同職のほかネッツトヨタ西日本(株)取締役社長も務める。

 22年の前回選は、本村氏と筑邦銀行頭取の佐藤清一郎氏、山一産業(株)社長・山本雅典氏の3人の候補者で争われ、3度にわたり得票数が同数となり、4度目の決選投票で本村氏が再選された。本村氏は6期18年の長期にわたって久留米商議所会頭を務め、久留米市政にも大きな影響力を与えてきた。

 転機となったのは、22年1月の久留米市長選挙であった。保守分裂選挙となったが、久留米商工会議所は本村会頭とその側近の独断で、特定の候補者への応援を行った。これは商工会議所法に定める政治的中立性に抵触するとして、福岡県商工部の指導を受けた。その後、市長に就任した原口新五・久留米市長との関係は冷え込んだままであった。

 久留米市では、中心市街地である西鉄久留米駅周辺の再開発構想が進められているが、市と商工会議所の関係に「このままでは久留米は変わらない」と、主に若手経営者を中心に変革を求める声が上がっていた。今回の会頭交代により、組織の刷新や市との連携強化が期待される。

【近藤将勝】

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