福岡県、未承認医薬品販売の疑いで大阪府へ通報
福岡県は12日、県が実施した健康食品の買上げ検査で、強壮目的の商品1品目から医薬品成分「タダラフィル」が検出されたと発表した。同県は販売業者を管轄する大阪府へ通報するとともに、厚生労働省へ情報提供を行った。現時点で当該製品による健康被害は確認されていない。
県では、健康食品による健康被害を未然に防ぐ目的で、2002年度から継続的に買上げ検査を実施している。今回の検査は2025年7月、インターネットで販売される強壮系・痩身系合わせて15品目を対象に行われたものである。
検査の結果、強壮系の1品目「Active candy」から、勃起不全治療薬として医療用医薬品に用いられる成分「タダラフィル」が検出された。販売業者は大阪府羽曳野市の「スパニエルステージ」で、福岡県が購入したインターネット販売業者でもある。
<その他の情報>
賞味期限:表示なし
購入価格:4,634円(2箱セット)
規 格 :3粒/箱
製造者 :表示なし(※ホームページには「販売元」として「ハマーファクトリー/ハマーショップ(マレーシア)[WHYPAYMORE INTERNATIONAL]」と記載)
医薬品成分を含むにもかかわらず「食品」として販売した場合、当該製品は法律上「医薬品」とみなされ、未承認医薬品の販売として「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」に違反する。
県は12日付で、販売業者を管轄する大阪府へ通報するとともに、違反品目に関する情報を厚生労働省へ提供した(同省ホームページで公表)。また、違反製品の現物については、県薬務課が保管している。
現時点で当該製品による健康被害は確認されていないものの、県は購入者に対し、直ちに服用を中止し、身体に異常を感じた場合は医療機関を受診するよう注意喚起している。併せて、最寄りの保健所や保健福祉事務所への相談を促すとともに、医薬品的な効能をうたう健康食品の購入を避けるよう求めている。なお、タダラフィルは血圧変動などの副作用リスクをもち、基礎疾患がある利用者では重大な健康被害に至る恐れがある。
【松本悠子】










