玉城デニー知事が追う沖縄県知事選──先行する古謝候補に公選法違反疑惑が浮上
三選を目指す玉城デニー知事と古謝玄太候補の実質的な一騎打ちの「沖縄県知事選(9月13日投開票)」は、自民・維新・国民・参政・保守・公明県本部が推薦するなど政党基礎票や組織力で優位な古謝氏がやや先行するものの、不安材料も抱えている。9月2日に赤旗が「古謝氏集会1,000円『飲み放題』」と銘打って報じた公選法違反の疑いのことだ。しかも、この報道を受けて神戸学院大学の上脇博之教授は6日までに県警に告発状を郵送。事件化する可能性が出てきたのだ。
赤旗報道によると、問題の集会は「古謝玄太決起集会~県内の若手大集合SP~」で、8月5日に那覇市内のホテルで開催。県知事選に挑戦する古謝氏が支援を呼びかけるなか、約250名の参加者(支援者)はたった1,000円の参加費で飲み放題を堪能できたというのだ。
公職選挙法の第221条 (買収及び利害誘導罪)は、当選もしくは当選させない目的をもって選挙人や選挙運動者に対し金銭や物品などの利益供与をすることを禁じているが、これに古謝氏が該当する可能性があるというのだ。1,000円飲み放題集会が開かれた「ホテルモーリアクラシック沖縄」(那覇市港町4-3-27)を訪ねると、公選法違反の疑いはますます深まった。ホテルを訪れた一般客が1,000円飲み放題プランを頼めるわけではなく、別途会場使用料を支払う必要があることが確認できたためだ。問題の集会に参加した古謝支援者は、古謝陣営に負担してもらった会場使用料分を割り引いてもらって、割安で飲み放題プランを堪能できたことになるのだ。
以下がホテル担当者とのやりとりである。
――宴会で飲み放題コースが1,000円台(全7種類の1,650円)と2,000円台(全12種類の2,420円)、2つあると聞いたのですが…。飲み放題コースとかはないですか。
女性スタッフ (パーティプランのチラシを示しながら)6,600円と7,700円の食事付となります。
――これ(2時間飲み放題)だけでは頼めないのですか。
女性スタッフ 会場使用料が入ってくるので、内容によって金額が変わるのですが…。担当がいるので。
要は、1,000円飲み放題プランを一般客が頼めるわけではなく、二種類の食事(7,700円か6,600円)とセットが基本で、飲み放題単独の場合、別に会場使用料が必要となるのだ。言い換えると、古謝支援者は会場使用料分を値引いてもらった割引料金で利用できたことになるのだ。
ここでホテルの男性担当者が現れたので、確認の質問を続けた。
――1,000円台と2,000円台、飲み放題コースの2つあると聞きました。ネット上で話題になっていたものですから。
男性担当者 基本的なプランというのは食事がともなっているものです。
――これ(飲み放題プラン)を単独で頼めないのですか。
男性担当者 単独でも頼めるのですが、それの場合は会場使用料が別で内容によって、どこまで必要なのかをおうかがいしてつくるので、何か決まったプランがあるわけではない。
古謝玄太さん絡みのことだと思うが…。うちも風評被害があるとあまり好ましくないので、適切に、もし紹介するなら紹介してほしい。
――「1,000円で飲めるのではないか」と押し寄せたら大変ですよね。
男性担当者 そうですね。そう考える方は多分ほとんどいらっしゃらないと思うのですが…。
――(2時間の飲み放題コース)1,650円だけで頼めることは。
男性担当者 (頼める)ことはないです。
――ちなみに会場使用料はおいくらなのでしょうか。
男性担当者 そのときの使い方とかで違ってきます。一概にいくらということはないです。
――古謝さんの場合はいくらぐらいだったのですか。
男性担当者 明言は差し控えさせていただきます。こちらから答える義務はないのかなと思うので。
宴会に例えれば、個室使用条件付の飲み放題プランにおいて参加者が個室使用料を支払わなくて済んだということだ。古謝支援者にとってはお得感満載だが、これこそ、公選法が禁ずる供応(買収)に該当するのではないか。ちなみに計算上、会場使用料を参加者数で割った金額が買収額となる。会場使用料が25万円なら約250名の古謝支援者に約1,000円ずつ配った計算になる。
そこで9月6日、那覇市おもろまちでの街宣を終えた古謝候補を直撃。「1,000円飲み放題コース、利益供与、買収ではないか。一言、お願いします。(飲み放題コース単独注文に必要な)会場使用料はいくらか」と声掛け質問したが、古謝候補は無言のまま車に乗り込んだ。
「法律(公選法)違反をしてでも勝てば官軍なのか」と疑いたくなる古謝陣営の選挙戦に対し、沖縄県民はどんな判断を下すのか。13日の県知事選の投開票結果が注目される。
【ジャーナリスト/横田一】









