日本ライオンズ・定時社員総会で出された別府氏の理事追加決議に異議の声(4)

 今年1月から5月にかけて、ライオンズ国際協会「337-A地区」(福岡県と壱岐・対馬)における元ガバナー・二場安之氏をめぐる組織運営上の問題を「二場元ガバナーの権勢の栄枯盛衰物語」として45回にわたり連載した。詳しくは下記リンクの連載記事をご覧いただきたい。

二場元ガバナーの権勢の栄枯盛衰物語

    8月3日に東京で開催された(一社)日本ライオンズの「2026-27年度第1回定時社員総会」において、招集通知に記載のない理事1名(別府壽信氏)を追加選任する決議が行われたのは既報の通りだが、ライオンズ元国際理事で現在、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)理事を務める鶴嶋浩二氏がまとめた別府氏の理事追加に関する(一社)日本ライオンズ宛ての意見書は、日本ライオンズの社員総会の決議の問題点を指摘している。

 当社は鶴嶋氏の7ページにわたる意見書を入手したが、前回、総会での決議が「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて「社員総会の目的である事項」以外の事項について決議をすることができないとする同法49条3項に違反し、無効と解されるとの鶴嶋氏の指摘を紹介した。

ロバート議事規則に基づく決議といえるのか

 鶴嶋氏は意見書においてライオンズクラブの憲法とされるロバート議事規則に基づかない決議であるとも指摘している。

 ここでポイントとなるのが前回紹介した、鶴嶋氏に8月17日付で日本ライオンズの弁護士がメールで返信を行った意見である。

 日本ライオンズ顧問の弁護士の意見(要約)
 1 定款23条1項、一般法人法65条(役員の欠格事由)および内規2条に照らし、別府氏は理事の被選資格を有する(欠格事由以外の要件は「法律上規定されていないので、原則自由である」)。
 2 執行部以外の正社員からの立候補について「これを禁止する旨の規定はどこにもない」から、立候補は基本的に自由とするのが民主主義的であり、ロバート議事規則の定める少数意見尊重の原則にも合致する。
 3 従って、第3号議案の下で執行部指名以外の候補者の選出を求める行為を「議案以外決議」と断定することはできず、違法とはいえない。

 日本ライオンズの弁護士は、立候補の自由を認めることが民主主義的であり、ライオンズの法律といってよいロバート議事規則に沿うものと指摘している。しかし、鶴嶋氏は意見書で次のように指摘を行っている。

「事前手続を一切経ることなく、欠席社員8名の与り知らぬところで通知外の選任決議を行うことは、民主主義の実現ではなく、その手続的基盤の毀損にほかなりません。真に保護されるべき「少数意見」には、当日議場に立った者の意見のみならず、招集通知を前提に議決権を行使した欠席社員の意思も含まれるはずです。」

元ライオンズ国際協会・国際理事 鶴嶋浩二氏
元ライオンズ国際協会・国際理事
鶴嶋浩二 氏

 鶴嶋氏は、8月3日に東京で開催された(一社)日本ライオンズの「2026-27年度第1回定時社員総会」は、8人もの構成社員が欠席し、議事に対して意見表明など影響を行使しうる状況になかったと述べ、ロバート議事規則について「同規則が、(一社)日本ライオンズという法人に適用されるものであるかはともかく、ライオンズクラブ国際協会において正式に取り入れられた議事規則であることは、争いません」としたうえで「同規則は都合の良い一原則のみを切り出して引用するのではなく、その全体が正確に適用されなければなりません」と指摘している。

 ロバート議事規則とは、アメリカ合衆国陸軍少佐だったHenry Robert (ヘンリー・ロバート)が合衆国議会の議事規則を基に一般の会議でも用いることができるよう簡略化してつくった議事進行規則であり、ライオンズクラブの各種会議などで用いられている。
 その内容は次の権利と原則から構成されている。

■4つの権利
 1:多数者の権利
 2:少数者の権利
 3:個人の権利
 4:不在者の権利

■4つの原則
 1:一時一件の原則
 2:一事不再議の原則
 3:多数決の原則
 4:定足数の原則

 はたして日本ライオンズの社員総会の決議や同組織の弁護士意見はこの権利および原則に基づいた決議、意見であろうか。次回、この点について考察する。

(つづく)

【近藤将勝】

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