2024年12月26日( 木 )

【2/10】日経平均とダウ平均~ともに1万6,000割れ

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tokai 日銀が導入を決めたマイナス金利の影響は、銀行だけではなく、円高と株価の下落という想定外の激痛に見舞われ、黒田総裁が期待した方向とは逆の動きが目立っている。果たしてその効果は今後どのような形で現れるのだろうか。

 別表を見て頂きたい。昨年12月30日の日経平均株価(終値)は、1万9,033円71銭だった。一方、12月31日のダウ平均株価(終値)は、1万7,425ドル3セントで引けている。単位は違うものの、日経平均が1,608.68ポイント上回っていた。日銀がマイナス金利導入を発表した1月29日と2月1日に、日経平均株価は大きく値を上げ、その差は1,416.05ポイントと、まだ余裕を残していたのだ。

 しかし、その後日経平均株価は一転して下落に転じ、2月9日は1万6,085円44銭。今朝終わったダウ平均株価は、一時1万5,881.11ドルと1万6,000ドルの大台を割りこんだが、終値はかろうじて1万6,014.38ドルで引けた。日経平均との差はわずか71.06ポイントに縮小。共に値を下げたものの、日経平均の下げのほうが大きく、マイナス金利の導入が市場に大きい影響を与えたことが分かる。

 今日10日の日経平均株価は寄り付き1万6,017円26銭と前日比プラスでスタートしたものの、その後は下げが優勢の展開が続いている。前場の最安値は、1月21日の1万6,017円26銭をあっさり割り込み、1万5,626円04銭となり、今年の最安値を更新。前場の終値は1万5,699円85銭となり、ドルとのポイント差は反対に-314.53ポイントも逆転される事態になっている。

 後場に入ると下げの動きが加速。午後1時56分現在、前日比-649円26銭の1万5,436円18銭(前日比▼4.04%)と大きく値を下げている。
 9日のヨーロッパ市場も、銀行の経営危機が懸念されるなどの悪材料も重なり、株価は大きく下落して終わっている。ダウ平均株価は小幅な下げで終わったものの、中国経済の減速、原油安、アメリカ経済の減速など、世界経済を取り巻く株安の流れは、今後も続くとの見方が大勢を占めている。

 中国は2月8日(月)から12日(金)までは春節で、証券市場は休場。翌週の15日に再開される上海市場の動向如何によっては、さらに世界同時株安が進行するのではではないかと懸念する声が、市場関係者から上がっている。
 日経平均株価の1万5,000円割れも現実のものとなってきている。5月のサミット主催国である日本には、世界同時株安に歯止めをかけるために、世界がアッという新たな経済政策に、“果敢に挑戦”することが求められているのではないだろうか。

【北山 譲】

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