従業員が「入社してよかった」会社へ
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(株)第一ゼネラルサービス 代表取締役 吉田 邦宏
第一交通産業グループのファイナンス事業を担う
第一交通産業グループのファイナンス事業を担う(株)第一ゼネラルサービス。1975年の設立当初は不動産仲介業をメインに行っていたが、その後、不動産担保ローンを主軸とした貸金業へシフト。地場のマンションデベロッパーを中心とした不動産担保融資を主軸に、事業を拡大していった。リーマン・ショック時など、銀行が融資引き締めを行うときには、中小企業の融資元として収益を伸ばし、今のように不動産市場が活況で銀行融資が付きやすい場合にも、短期の融資では銀行にも劣らない魅力がある。
「着手から融資までのスピード」では、銀行はノンバンクに敵わない。銀行では申し込みから融資実行まで2週間以上かかることも珍しくないが、ノンバンクは最短1日で決済が下りることもあるという。また、書類作成が比較的簡素で済むなど銀行が融資攻勢をかけるなかでも、ノンバンクが有利な面は少なくない。「マンション用地の不足から、用地取得が難しい現在ではスピードが大きなカギとなるため、まずは迅速に調達できるノンバンクを利用し、メドがついたところで銀行から借り換えする手法をとる。短期間で借り換えできれば、銀行とノンバンクの金利差は大きなものではない」と、地場マンションデベロッパーからはこのような話も聞かれる。
「入社してよかった」そう思える会社へ
融資事業を生かした不動産ビジネスでも、新たな動きが見え始めている。第一ゼネラルサービスの子会社である(株)エフ・アール・イーとの連携した不動産再生事業が好調だ。ファイナンスを預かる第一ゼネラルサービスでは、不良債権の発生は珍しいことではない。同社を債権者とする担保権の設定された不動産があれば、その債権を実行し競売をかける。それを、エフ・アール・イーが落札。再生販売して利益を獲得するという手法だ。
また、融資事業を行う強みは手数料収入だけではない。多くの不動産情報が集まってくるのも、融資事業を抱える大きなメリットだ。復興需要に湧く東北エリアでは、作業員宿舎が不足している。情報力に秀でた同社は、既存物件のホテルへのリニューアルなどで「復興作業員向けホテル」という長期の事業を確立した。2015年3月期の経常利益率は34.14%を誇るなど、金融事業と不動産事業の2本柱となって以降の同社の業績には、眼を見張るものがある。
吉田社長は今後の事業展開について、「融資額を伸ばすには限界があります。一定の事業規模を保ちながら、利益を出せる会社として継続していきたいと考えています。また、従業員が入社してよかったと思える会社にしたいですね。とくに従業員の家族など、周りの方々にそう言われるような会社にするのが目標です。今後は、エフ・アール・イーと連携した不動産事業を安定させ、第一ゼネラルサービスが金融事業、エフ・アール・イーが不動産事業と住み分けしていく予定です」と話す。ノンバンクというビジネスモデルに縛られない、同社の今後に注目していきたい。
※記事内容は2015年8月31日時点のもの
<COMPANY INFORMATION>
(株)第一ゼネラルサービス
代 表:吉田 邦宏
所在地:福岡市博多区東比恵2-17-15
設 立:1975年4月
資本金:5億8,595万円
TEL:092-475-1040
URL:http://www.daiichi-general.co.jp/<プロフィール>
吉田 邦宏(よしだ くにひろ)
大分県日田市出身。西日本シティ銀行を経て2010年に(株)第一ゼネラルサービスへ入社。12年6月に代表取締役に就任した。経営手腕には定評があり、事業運営に柔軟な姿勢を見せる。関連キーワード
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