災難続きの豪華客船、1年遅れで引き渡し~三菱重工長崎造船所
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建造中の2番船「アイーダ・ペルラ」
三菱重工業は14日、長崎造船所で建造していた大型客船を発注先のドイツのアイーダ・クルーズ社に引き渡した。度重なる設計変更などで納期は1年遅れ、さらに3度の不審火に見舞われるなど災難が続いた。“造船の街”復権に期待する長崎市民の目に、白く巨大な船体はどのように映ったのだろうか。
引き渡されたのは1番船アイーダ・プリマ。全長約300メートル、12万5,000トンの威容を誇り、客室数1,643室で約3,300人を収容できる。プールやスケートリンク、カジノなど豪華な設備を備え、さらに最先端の省エネ技術も採用した。同船はドイツ・ハンブルクに向けて出港し、来月末の欧州クルーズから営業運航を始めることになる。
同型の2番船も建造が進んでいるが、2隻分の損失は約1,900億円にも上る。約1,000億円とみられる受注額の実に約2倍だ。2002年のダイヤモンド・プリンセス火災事故は市民にも大きな衝撃を与え、それだけに港外の工場で出来上がっていく客船を温かい目で見守ってきた。2隻の豪華客船建造がもたらす結果が、長崎市の基幹産業である造船業の今後を占うといっても過言ではない。
2番船「アイーダ・ペルラ」は来年度中に引き渡される予定だ。三菱重工業は「工程の最適化と改善で建造を加速させる」とするが、これ以上の遅延は許されない。わが国の造船技術の真価が試されている。
【平古場 豪】
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