稲尾産業80億円強企業価値を死守できるのか(3)
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大手建機レンタルのターゲット・稲尾産業
稲尾産業がどのくらい業界の情報を掴んでいるか知らないが、大手建機レンタル業界の関連トップクラスの今後の見通し話が転がってきた。「ニシケンの水田会長の戦略眼はたいしたものだ。よくまーあの段階でM&Aを決断した。次のターゲットというべき九州地場の業者の商圏狙いは熊本の三和リース、福岡の稲尾産業だろう。ここに食い込むしかない。九州全体をみればあと2ないし3社あるけれども―」。ゲナ話としても関係業者の誰が聞いても「信憑性が高い」と頷くであろう。
確かに稲尾産業に関して(1)80億円近い企業価値のある会社(厳密に言えば78億円)(2)稲尾社長は独立路線を極めると【コダマの核心】で触れた(資料参照)。「だがここに至っての急変で独立路線の堅守は厳しくなったのではないか!!」という見通しが固まってきたことだ。このシリーズ(1)冒頭でも紹介したことを正確に記述してみよう。ニシケントップの一人の発言でもある。
「ニシケン、稲尾産業が地域の名門・中核企業かもしれない。だが全国大手のトップクラスは弊社の年商150億円の10倍、15倍するほど巨大だ。40億円規模の稲尾産業の比較でいえば相手は40倍、60倍のマンモス企業である。メンツばかり考えていたらタイミングを逸してしまう。相手の脅威を真剣に受け留ることをしないと致命的な打撃を受けることになる」。地場中核企業が一夜にして敗北企業へ転落する時代に突入したのである。あー恐ろしい。
本音を表現すると「データ・マックスさんは稲尾産業の企業価値を80億円と定めたが、レンタル1円戦争が勃発すれば戦える期間は2年も残されていない」となる。稲尾社長の腹の中では「その時々で縮小戦略を取っていけば良い」と考えているのか?同社長には的確な助言をするために面談を求めたが、「会う必要なし」との回答があった。よほど自信のある作戦を構築しているのか!!
稲尾社長に一つだけ教授しておこう。M&Aを手掛けているかなりの実績のある権威者の指摘。「確かに稲尾産業の企業価値78億円という算定には大きな間違いはない。だが買う側としては年商40億円規模に80億円投資するメリットがあるかを常に冷酷に打算する。戦争前に潔く身売りの選択をすれば80億円近い値がつくかもしれないが、時間を追って価値は劣化するであろう」となる。縮小に伴う社内の士気衰退に対応できる覚悟があるか!!
業界関係者共通して稲尾産業の今後の戦略展開を下記のように論じている。(1)大手との激突を見通し、また将来の需要減対応として建機の新規購入を極力と手控えてきた。(2)仮設資材購入も控えて足場リースで稼いできた。(3)大手との戦いに押され始めたら縮小するであろう。では簡単に縮小できるのか!! 社員達の忠誠心の荒みに対する覚悟の準備が稲尾産業には完了できているのか!!
現実、ニシケンは親会社カナモトの傘下に入った。その豊富な資金力を生かして筑後地区に広大な敷地に強大なヤードを建設する。稲尾産業にしてみれば筑後地区の商圏防衛に躍起にならことは必然だ。業界トップのアクティオは佐賀県のソクトを買収した。近々、福岡県西部地区への進行を本格化するであろう。
稲尾社長!! 儲からなくなったから筑後地区を縮小、福岡西部を後退、福岡中心部に集中と後退戦略を選択したら地獄だ。根本的な決断する時間は残されていない。(了)
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