外で涼んで家庭は省エネ~クールシェアふくおかがはじまる
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地球温暖化対策の一環として、福岡市が市民に涼しく過ごせる施設への来場を勧める「クールシェアふくおか2016」が、7月1日から始まった。夏場の家庭における使用電力の削減を目的とし、今年で5回目。クールシェアスポットのなかには利用者にお得なサービスを提供している施設もあり、事務局は「お出かけのきっかけにしてほしい」と利用を呼び掛けている。9月30日まで。
クールシェアは2011年の東日本大震災直後にある大学のゼミで発想が生まれ、東京都世田谷区でモデル事業を実施。全国に運動が広まったが、九州で実施している自治体は福岡市、北九州市、志免町の3つだけ。福島第一原発の事故により全国の原発が休止し、とくに夏場の電力使用量増加が問題となって節電意識が高まったことが背景となっている。
福岡市内の特典つきクールシェアスポットは50カ所。チラシについているチケットを持参すると、利用料金の割引や飲料の提供などのサービスが受けられる。市内6施設では打ち水などの関連イベントを実施。ほかに区役所や公民館など229カ所の公共施設がクールシェアスポットとして登録されている。登録スポットは現在も募集しており、9月末までの期間中に増えることもある。また7月21日から8月31日まで福岡市美術館、福岡アジア美術館、福岡市博物館を利用すると、博多座の招待券などが当たるクールシェア促進キャンペーンを実施している。
事務局によると、福岡市の地域特性として産業が少なく、家庭や店舗が多い傾向となっている。このため家庭での電力消費量を少なくすれば、地球温暖化の原因となる二酸化炭素削減に効果が期待できるという。また節電でクーラーを使わなければ熱中症のリスクも高まり、冷房の入った施設を利用すれば健康被害を防ぐこともできて一石二鳥。近年は介護施設がクールシェアスポットに登録するケースも増え、事務局は「一人暮らしの高齢者がクーラーを使わず、熱中症で死に至る場合もある。無理をせず、外に出てクールシェアスポットに登録した介護施設などを訪れてはどうか」と話す。
チラシは市役所や区役所、クールシェアスポットなどで配布。クールシェアスポットは福岡市のHPで紹介している。
【平古場 豪】
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