「やよいの風公園」は来年度オープンへ~福岡市
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「最古の王墓」で知られる吉武高木遺跡(福岡市西区吉武)で、市が整備を5年がかりで整備を進めてきた「やよいの風公園」が2017年度にオープンすることがわかった。当初は16年度中のオープンを予定していたが、整備計画の見直しがありスケジュールが遅れたという。
吉武高木遺跡は弥生時代の大規模遺跡。前期末から中期初頭の甕棺墓(かめかんぼ)や木棺墓(もくかんぼ)から大量の青銅器が見つかり、王の墓と推定された。ほかに大型の建物や「甕棺ロード」と称される1,200基の甕棺墓が出土し、弥生時代の「くに」のはじまりを知るうえで重要な遺跡とされている。1993年に国の史跡に指定。福岡市は遺跡の保存と活用を目的に、国指定範囲の4.2ヘクタールのうち、2.7ヘクタールを史跡公園にすることとして、2012年度に整備事業を始めた。
13年度に7,000平方メートルの多目的広場と芝生公園をプレオープン。当初は残る予定地を2期に分けて整備する計画だったが、弥生時代当時の旧地形や河道を復元するために整備と設計を同時並行で進めたことから、スケジュールが遅れた。公園全体を一望できる展望地、レプリカの甕棺を並べる「甕棺ロード」、「最古の王墓」を紹介する陶板などを含めた一帯の整備は来年3月までに完了し、公園全体のオープンは4月以降になる見通し。
福岡市には弥生時代の遺跡の保存活用を目的に整備した公園として板付、金隈、野方があり、「やよいの風公園」で4カ所目。イベント開催などを通じてPRしているものの、市民にはあまり知られておらず、訪れる人も少ないという。福岡市文化財保護課は「福岡市は考古学の研究で全国的にも最先端だが、観光資源としての周知がまだ行き届いていないのが現状。市外からの観光客を案内してもらうためにも、まず市民が足を運ぶよう広報活動にも力を入れたい」と話している。
【平古場 豪】
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