ある介護現場で始まった「早番」シフト
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福岡市内のとある介護現場で、このほどシフトに「早番」というくくりができあがった。
「その日はもともと日勤予定だったのですが、前日に急に電話がかかってきて『明日は早番でお願いします』と言われました。何のことか分からなかったのですが、聞けばいつも(日勤の出社時間)より1時間早めに来て欲しいとのことでした」(介護職従事者)。上記介護従事者の話によれば、日勤時の出社時間は午前8時だという。「早番」はこの1時間前に出社ということなので、午前7時出社ということになる。無論、業務終了時間も1時間早まることになるが、現状はそう甘くないようである。
「早番シフトが始まったのは、人手不足が原因です。夜勤組との業務引継ぎをスムーズにするためにも、早い時間帯から誰かが出てくる必要があったんだと思います。でも、根本的に人手が足りませんから、結局残業は発生しますよね」(同)。厚生労働省が公表している「介護人材の確保について」によれば、介護の現場では採用率と離職率がほぼ同じという状況に陥っていることがわかる。
「私のまわりでも、12月のボーナスをもらって辞めるという同僚が数人います。新人さんもなかなか居着かないし、これからもっと厳しい環境になるんだと思うと、正直つらい気持ちになってしまいますよね」(同)。超高齢化社会に突入し、今後、介護を要する人の割合が増えていくことが予想される日本。一刻も早い介護職従事者の地位改善・向上が求められる。
【島野 元太郎】
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